kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

2008-01-01から1年間の記事一覧

正統性とは何か?

小生の母方は多胡という姓なのだが、 祖父は北原白秋門下で 児童文学「赤い鳥」でそれなりに活躍した人のようだ。 小生は父方の名を継いでいるので姓は違うのだが、 この祖父には小さい時、いろんな折に世話をしてもらい、 小学校まではにいつも相手をしても…

越後和典先生にお会いしてみると

今日は縁あって「新オーストリア学派・・・」の著者である越後先生のお宅まで 木村貴さんとお邪魔して、いろいろとお話を伺った。 越後先生の本は、衒学的なところがなく、一途な学問への熱意が伝わり、 同時に新オーストリア学派の要諦がつかめる点で素晴ら…

大平先生ありがとうございます

今年は9月に阪大の西條先生と北大の山岸先生の学会に出てから 急にいろんな人と出会って勉強することが多くなって、 思えば帰国してから、いちばん忙しい年だった。 その中でも名古屋大学の大平英樹先生には感謝したい。 小生たちのような駆け出しの学者をも…

神経関係学会に行って見ると

今日は名古屋大学での感情社会神経学会という学会報告を聞いていたのだが、 小生にとって新鮮だったのは神経科学の発表内容の云々というより、 論文内容、フロアからの質問ともに、 セロトニンなどの集団差と不安の差(e.g. Hariri, 2002 .)などを当然のこと…

理性を崇拝するとは一体???

今日ふと思い出したのだが、 確かフランス革命の末期にジャコバン派の独裁が続く中で、 「理性崇拝」の強制が行われたと記憶している。 もちろんこれは、当時の支配的宗教であるカトリックに対するものだが、 考えてみると、何とも言えず、奇妙なことだ。 な…

特殊な技芸のスキル

小生ははたまたま名古屋に住んでいるのだが、 スケートの浅田真央、安藤美姫、中野友加里とか、 多くのトップスケーターが出ているからだろう、 地元ではスケート人気が高まっているようだ。 今年、うちのチビは浅田真央の大ファンになってしまい、 いつもヨ…

anarchistはよそ者ではないのだが

D.フリードマンのThe machinery には、彼が講演会で 「Mercenery! (傭兵!)」と罵倒された後書きが書いてあるが、 これは、ある意味で無政府リバタリアンの疎外感を表わしていると思う。 小生は日本人であるし、平均すれば日本が好きであるが、 無政府主義…

恋人をゲットする! getする!

デルタさんの「タッチする」という動詞なのだが、 小生の考える和英混淆文では、 「touchする」となるはずだが、 これはほとんどなさそうだと思う。 もっと難しい言葉から変わるということだろうか。 ところで、13年前に帰国した時に非常に不思議に感じたの…

小さな矛盾 in neuroeconomics

nature, neruroscienceなどに載っている、Shreighoferと ATR研究所の銅谷、田中などによる共同論文では、 セロトニン動作系の神経が時間割引を決めているという。 セロトニン濃度が高いと、より長期の報酬を評価するようになるというのだ。 これは、確かに哺…

リバタリアニズムは市井の思想でなくては

おそらく小生の思想をもっとも理解してくれているanacapさんの簡単な自伝を読んでいたら、 小生よりもはるかに直接的に無政府資本主義に至っているのが たいへんに素晴らしいことだと思われた。 http://anacap.jugem.jp/ リバタリアニズムという思想と生き方…

日本語が亡びるとき

今日は前から気になっていた、漱石文学の嫡流として『続明暗』で名高い水村美苗さん、 経済学者には岩井克人さんの配偶者であることでも有名な人の 『日本語が亡びるとき』を興味深く読んだ。 以下はAmazon.co.jpでの書評と同じになるのだが、 ______…

企業による大学経営はどうよ

先週は大学のクラス会に出たついでに、 昔の教養キャンパスを歩いてみた。 モダンな建築と学際準備のダンスにあふれる場となっていて、 ちょっとばかり驚いた。 20年と超える時間とは本当に大きなものだ。 ところで、mojixさんが 「現在の大学に代わって、企…

Bastiatはいいよ

やる気がちょっと失せた今日この頃は バスティアの「見えるものと見えないもの」を訳したりしている。 翻訳と著述は別の難しさもあるが、 やはり人のものを訳する方が、mental な負荷は相当に低い感がある。 とはいえ、情けない小生はフランス語がまったく読…

DIMEが自分好みかな

小生はMONO好きということで、大学時代から頻繁に MONOマガジン、DIME、NIKKEI Trendyを読んでいるが、 モノへのこだわりはやはり、モノマガジンが一番優れていて、 読んでいると、編集部諸兄のつきないモノへの興味と愛着を感じる。 さて、DI…

パソとロボットは相性がいいが、、、

そういえば、クルマと時計は相性がいいという話を書いたが、 パソとクルマがよくないのはなぜかは、大きな謎だ。 しかしimpress.co.jpなどのサイトでは、 パソとロボットが両方ともあるから、 おそらくモーターで動けば、 パソ好きな人は納得してロボットに…

Communitarianism

時々、小生の著作への批判に 「なんで、コミュニタリアニズムへの言及がないのか」 というものがある。 何でなのかといえば、まず第一に 小生があまり「自分の知的な風景の中に故郷の記憶がない」という 個人的な感覚がある。 小生の世界感と認識はすべて西…

差別と資本主義

モン・ペルラン・ソサイエティでのランチ・トークに ベッカーが、フリードマンが指摘したように、 資本主義の発達は、必然的に階級差別を否定してゆくというものがあった。 ベッカーはフリードマンの指摘の通り、 インドの経済発展に伴う差別の減少を指摘し…

spysee is great!

今日はたまたまspysee.jpというサイトで 自分の他人との関係性を見て、大いに楽しんだ。 それによると、小生は「森村進」とつながっており、 また「笠井潔」「ともつながっている。 森村さんとは確かにリバタリアンつながりで納得できるが、 笠井さんとは「…

BBC program on biodiversity

たまたまNHK教育をみていたら、 BBC製作のネーチャーものをやっていた。 いつもながらBBCの作る教養番組はNHK単独の者よりもずっと面白い。 で、番組中にエドワード・ウィルソンがbiodiversityを訴えていて、 いたので、彼のことを強く思いだし…

誰が孔子の子孫なのか?

さっきニュースを読んでいたら、 孔子の77代目の子孫が台湾で死亡したというのがあった。 で、さらにchina dailyによると、 孔子の子孫は300万人に上るという。 これは本当なら信じられないほど小さな数字だ。 仮に30年で1世代が過ぎるとして、子ど…

コンドルセと人間の無限可塑性

前に教育学はわけわからないことが多いという例として、 シュタイナー教育について書いた。 小生はおそらくほとんどの社会系の学問の教科書を大学時代に読んだが、 最も共感できなかったのは教育学だったように思う。 ルソーはいうまでもなく教育学のスーパ…

食料自給率40%がどうした!!

先日Frederic Bastiatの『請願書』というのを翻訳してみた。 近いうちにホームページにアップする予定だ。 これは有名なパンフなのだが、とにかく フランスのロウソク産業が、太陽からの「不正な」競争に対して、 議会に太陽光の進入を禁止してもらいたいと…

形而上の能力差

誰でも知っているようにクラッシックという音楽ジャンルがある。 大学時代以来持ち続けてきた小生の疑問は、 これはポピュラーなものよりも何らかの意味で優れているといえるのか? というものであった。 何を当たり前のことを言っているのだ、と多くの音楽…

善と悪の判断モジュール

今日はたまたま義理の姉夫婦とその息子がきたので うちのチビたちは大喜びだ、喧嘩しながらも遊んでもらった。 さて、小生はといえば、politically incorrect guide (PIG) シリーズの "Capitalism"を読んでいた。 その前は、シカゴ大学教授のJohn Lott Jr. …

おまえはもう死んでいる

このところ日記を書いていなかったのだが、 一つの理由は来年大学を休んで、 ちょっと勉強したいと思っていることにある。 で、そのペーパーワークが多いうえに、 うまくはかどらなくて困っているのです。 なかなか授業をやりながら論文を書き、 それで本を…

『理性の限界』

今日はやる気がしなかったので、 高橋昌一郎さんの『理性の限界』という新書を読んだ。 http://www.amazon.co.jp/dp/4062879484/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1222442115&sr=8-1 これは傑作なので、私の知り合い、またはブログ読者の皆さんにもぜひオスス…

大学教育は時代遅れか?

ベッカーの話には続きがある。 フロアからの質問に以下のようなものがあった。 最近American Enterprise Instituteのチャールズ・マレー (この人はnotoriousなベルカーブの著者の一人)が Real Educationという本(これは小生も読んでいた)を書いていて、 …

大学教育の効果??

Mon Pelerin Society meeting at tokyo 2008 の最後に Gary Beckerによる講演があった。 内容は興味深く、1、高卒以下、2、高卒、3、大卒、4、大学院卒 の四段階に分けると、どの年齢においても死亡率はこの順で下がっている。 また、少なくともアメリカ…

バブルはくり返すが、、、

えーと、今日『リバ宣』読んだよメールをもらった。 ????????????????????????? 蔵研也様 前略.表記の本を読んで面白かったので読後感を送ります。P47にあるように、消費者のためと言いながら、 日本の規制は大部分が業界保護であ…

閑話休題のlast lecture

後日またGary Beckerによる最終セッションの重要な部分、 思ったことなどにについてはボチボチと書いてい行くつもりだ。 ところで、今日はたまたま帰りの電車で 『The last lecture』by Prof. Randy Pausch at Carnegie-Mellon Univ. を買って読んでみた。 …