kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『自由の倫理学』

著者は言わずとしれた自然権的無政府リバタリアンのマレー・ロスバードです。最近に森村進氏その他によって訳されたものです。 この著作から僕はあまりにも多くの影響を受けているので、できるだけ手短にいくつかの論点に絞って記します。その前に、いうまで…

資産運用のカラクリ

またしても外資系の実務家の書いた 小金持ちを目指す たぐいの書籍です。著者の安間伸氏は実務家として非常に豊富な税務知識をもっているようで、それが本書の大きな特徴です。 あまり内容として 特筆すべき点はないようにも感じたのですが、あえてリバタリ…

『1ドル二〇〇円で日本経済の夜は明ける』

著者はモルガン銀行東京支店で凄腕ディーラーとしてならしていたという藤巻健史氏です。 周知の通り、経済学を学ぶ人たちは実務家をバカにしていることが多いのですが、藤巻氏はその事実もある程度分かっているようなのが、いいところだと思います。著者は …

『現代の貧困』

著者は東大で法哲学を教える井上達夫氏です。 論壇に登場する人物らしく文体が瀟洒であり、流麗な感じで読みやすいのがいい点だと思います。内容的なことでは、著者は「リベラリズム」というものを提唱するのですが、その内容としては古典的なリベラリズムを…

『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』

またしても金持ち本ですが、著者であるライターの橘玲はいわゆる金持ち本とは距離を置いた記述をしています。そこに惹かれました。 内容としては、しごくまっとうなもので、例えば、家のローンは土地への一点重視のポートフォリオであり、戦後の日本では機能…

『年収300万円時代を生き抜く経済学』

著者はこのところテレビなどでもよく見かける経済評論家の森永卓朗氏です。 この手の本でいつも引っかかるのは「経済学」という題名です。学などと呼べるようなレベルに達していないのに、何かこういう名前を付けたがる。竹内さんの『路地裏の経済学』以来の…

『what it meas to be a libertarian』

著者Murrayは、人種差別で物議を醸したThe Bell Curve を心理学の泰斗Harrnsteinと共に著したリバタリアンです。この著作はCharles Murrayの書いた一般向けのリバタリアニズムの入門書というような感じのものです。 内容はしごくまっとうな穏健派のリバタリ…

『ベジタリアンの世界―肉食を超えた人々 』

鶴田静氏のベジタリアン文化の歴史は、いろいろな意味で雑学として興味深いものです。 氏はベジタリアニズムを倫理的、栄養学的な理由から普及を目指していると思われるのですが、ピタゴラス、プラトン、イエス、フランチェスコ、ダ・ヴィンチ、ルソー、バイ…

『動物の解放』

言わずとしれた「動物の権利」の泰斗ピーター・シンガーの代表作です。1976年の著作であるにもかかわらず、今読んでもまったく色あせない真摯な哲学的な探求を含んでいます。 シンガーは、道徳理論は人間だけがその義務の主体である反面、動物の固有の生活様…

『ドキュメント屠場』

岩波書店から出ている反骨ルポライター鎌田慧の著作です。 僕はベジタリアニズムに興味があって、屠場の非人道性みたいなものを期待しながら本を開いたのです。が、そこにあったのは被差別民としての食肉加工業従事者の生き生きとした仕事っぷりと人生でした…

『金持ち父さん貧乏父さん』

4年ぐらい前に流行った いわゆる「金持ち本」の中でも一番のベストセラーです。著者は日系アメリカ人のロバート・キヨサキ氏です。僕は単なる政治思想家であって金融実務家ではないので、ゼミ生の興味に従って読んでは見たものの、リバタリアンとして生きた…

『なぜ世界の半分が飢えるのか』

スーザン・ジョージによる現代の古典です。 彼女によると、アグリビジネス、途上国の支配者階層、先進国の研究機関などが、途上国の貧困層をますます貧困にし、その日の食料も持久できなくなって飢餓が起こっているのだと主張します。また緑の革命さえも、途…

よろしくお願いします

僕は職業的には社会科学、特に経済学、法学を勉強してきました。特に今の問題意識は、何世紀も後になって(例えば30世紀)、どのような政治制度が一般化しており、そして望ましいのか、ということです。 tentativeな結論としては、私有財産制度に基づく無政…