kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

BBC program on biodiversity

たまたまNHK教育をみていたら、
BBC製作のネーチャーものをやっていた。
いつもながらBBCの作る教養番組はNHK単独の者よりもずっと面白い。


で、番組中にエドワード・ウィルソンがbiodiversityを訴えていて、
いたので、彼のことを強く思いだした。


小生が大学時代に最も影響を受けたのは彼の『社会生物学』と
ドーキンスの『利己的な遺伝子』だと思う。
今となっては、ウィリアム・ハミルトンやロバート・トリヴァースを
よく引用するが、前記の二人は間違いなく偉大な啓もう書を書いたのだ。
ちなみにウィルソンはr/K理論、ドーキンスはextended phenotypeという
理論的な貢献をもしている。


なんというべきか、小生は社会科学の分野でのウィルソンのような
consilienceを成し遂げたかったのだが、どうやら当然に無理のようだ。
(ちなみに彼のbiodiversityには賛成しない。彼は「大統合」を標榜する割に、
ほとんど経済学や社会科学の理解をしていないし、する気もない。)
しかし小生はこれからも、法の進化論的、あるいは功利主義的基礎付けは
人々にぜひとも訴えていきたいと思っている。


つまるところ、法や道徳は、プラトン的、カント的な意味において、
形而上に超越主義的に存在するのではなく、
ヒトの行動パターンを交通整理するためにあるのだ。
こういった法の功利主義的基礎、進化論的基礎は
法学部では全く取り扱われないし、経済学でも取り扱われない。


しかし、いつの日か、「なぜ自由貿易が一般の人に支持されないのか」
「市場による解決が、なぜほとんどの人々の望むものではないのか」という
根源的な、法と経済学の問題についてもっと神経生理学文献を調査し、
その論理を熟考してみたい。