kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

食料自給率40%がどうした!!

先日Frederic Bastiatの『請願書』というのを翻訳してみた。
近いうちにホームページにアップする予定だ。


これは有名なパンフなのだが、とにかく
フランスのロウソク産業が、太陽からの「不正な」競争に対して、
議会に太陽光の進入を禁止してもらいたいという請願だ。


1845年の作品だが、このころ、
すでにリカードの原理は完全に少なくとも学者には浸透していて、
バスティアは貿易の保護主理に対しての風刺を試みたのだ。


それにしても、この時期、バスティアといい、モリナリといい、
フランスには重要な自由主義者がいたのは驚きだ。
革命に次ぐ革命という時代だが、
現代の官僚支配の中央集権化したフランスよりも
ずっと自由な気分があふれているのがよくわかる。


昨日もNHKを見ていたら、食料自給率が40%である今、
どうしたら日本の食糧を安定的に供給先を見つけることができるかを
真剣に特集していた。
食料の分配がすべてが政治で決定されるという印象を与える、
実に国家主義的で小生のもっとも嫌悪するいやなトーンの番組だった。
その中で、アナウンサーが実に道徳的にマトモで真摯な態度であるのが、
ますます気にかかる。


どうして、日本が食糧を買えなくなって、
困るなどということを心配するのか?
あるいは、どうして生産効率が悪いのに、
日本で食糧を作ろうとするのか?


つまるところ、食料を作るには肥料や農業機械、
さらには、それを動かすガソリンが必要なのであり、
日本で食糧を無理やり作ることには、
エネルギー資源のない日本にとっては何の意味もない。
保護主義的であることは、
他国に対して、余計な猜疑心を植え付けるだけだ。


東京都の自給率は1%未満なのに、
東京都民は、これまで他県から食料が送られてこなくなるとは考えていないだろう。
よほど、日本人は日本人以外が信用できないということなのか、情けないことだ。