kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

越後和典先生にお会いしてみると

今日は縁あって「新オーストリア学派・・・」の著者である越後先生のお宅まで
木村貴さんとお邪魔して、いろいろとお話を伺った。
越後先生の本は、衒学的なところがなく、一途な学問への熱意が伝わり、
同時に新オーストリア学派の要諦がつかめる点で素晴らしい本である。


やはり印象に残ったのは、日本における産業組織論の先鞭をつけながら、
さらに真理を求めて、勉強を続けるうちに、
オーストリア学派の経済学に転向されたという学問的な真摯さである。
なかなか人間は成功体験を否定できないものだと思うが、
越後先生はまっすぐな学問的な希求から、
そういった思想的な変遷を経ているというのが興味深かった。


もっと若い日、産業組織論以前においては、
戦後に支配的だったマルクス経済学徒であったというのもまた、
氏の思想的なあくなき探求心の証左だと感じられて、たいへんに印象に残った。
マルクスからオーストリア学派のというのは、まったくもって180度の転換だ。


小生も80歳まで、ゆっくりとでも、先生のように自分なりの
満足のいく学問的な理解を深めていきたいものだ、
と痛感した年の瀬の冬の日であった。