kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

2008-01-01から1年間の記事一覧

金で友情、愛情は買えるか

3年前に子供が幼稚園でもらってきた絵本に 『ともだちや』というのがあって、 これは、さびしがり屋のキツネが、 友達屋の営業活動をやりながら、お金をとっていると、 友達になったオオカミから 「なんだと、お前は友達から金をとるのか!!」と怒られて、…

自然の摂理

子供が小学校の課題で飼っていた青虫さんを 家でも家族そろって、柑橘の葉っぱを与えて、さなぎにまでなった。 喜んでいたのに、な、な、なんと寄生バエがいて、しんでしまった。 楽しみにしていたのに、くそーー、悔しい、アーメン。 ネットで調べてみると…

実験はたいへんだ

金曜日に岐阜市立女子短大に行って、 同僚の二人と一緒に経済行動の実験をしたが、 このところないほど、疲れた。 おまけに今日の午前は付属高校の体験講義に駆り出されて 完全に寝不足だ。 これまでの経済学は空疎な思弁なので、あまり実験は重視されてこな…

「愛」の実在性について

今日はかつての同僚の教えてくれた名古屋駅前の、 麻布に本店のあるイタリア料理屋にいってきた。 このビルにはトヨタの広報部があって、 おそらく東海地方では一番活気があるビルの一つだ。 帰国して間もない、あれは12年前のこと。 彼ともう一人の経済学…

energy and food price hike

先日ニュースを読んでいて、 経産省の事務次官が 「断固として60ドルが石油価格のファンダメンタルだと主張する」という 変なコメントを見かけた。 なんというか、投機資金が流れてきているとはいえ、 官僚の発言としてはあまりに政治的だ。 政治というの…

排出権オークション

今日はゼミの関係で炭素排出権取引について調べてみた。 ここのところは錯綜していて、判断がなかなか難しい。 大きな問題は2050年に50%削減という目標が 別段科学的な根拠がなく、単なる政治的なものであることだ。 これでは、多くの国は納得しない…

大艦巨砲主義

小生は最近ほとんど生産性が下がりきっていて大反省中なのですが、 それは実は、もっともトンデモに近いとおぼしき光文社ペーパーバックスさんと あと、某ポスト・モダン系の出版社さんから出版の話をもらっているからなのです。 このどちらもがたいへんなス…

Cass Sunstein

昨日、友人かつ同僚がわざわざ2つの論文ファイルを送ってくれた。 行動経済学者のRichard Thalerと政治哲学・法律学者のCass Sunsteinという アメリカの左派の2人のスーパースターの共著である。 二つの論文はほとんど同内容で、 American Economic Review…

開かれた社会

たまたまポパーの自叙伝を再読していたところ、 木鐸社のSさんとの世間話を思い出した。 いわく「中国が嫌いな日本人は、 やっぱりあの官僚の高飛車な態度が嫌なんじゃない」 なるほど。 毒キョウザ事件にしても、チベットにしても、 あの態度は確かに「開…

肉はseductionのために

昨日は授業で少しだけヴェジタリアニズムについて話した。 大教室の授業だったのだが、 大いに驚いている学生がいたのが興味深かった。 日頃、授業では 「はたしてCO2を削減する意味があるかわからないよ〜」 「温暖化は人間にいいこともたくさんあるよ〜…

ヴェジタリアニズムはいいよ

この話題は久しぶりなのだが、 実は私は隠れヴィーガンファンなのである。 ヴィーガンとは植物由来の食べ物だけで生きるライフスタイルを言う。 で、それは昔 Peter Singer の Animal Liberationを読んで、 なるほどホントに家畜がかわいそうだと思ったから…

ルポ貧困大国アメリカ

知人の編集さんに勧められて 「ルポ貧困大国アメリカ」堤さんの岩波新書をよんだ。 久々に岩波の左翼節が全開バリバリで、 医療や軍事の民営化に反対の人は、 人々はさぞかし溜飲を下げたに違いない。文章は確かにいいのだが、 僕が過ごしたアメリカの大学と…

金の内在的価値2

はじめまして reachさま 政府活動の縮小方向で同感していただけるのは 何よりも心強い限りです。 今後よろしくお願いします。 さて reachさんもすでによく勉強されているので、 ご質問に対して僕が答えることがあるようにも思えないのですが、 以下、思うと…

金の内在的価値1

今日reachさんという方から 興味深いメールをもらったので、いかに転記させてもらい、 次のポストで小生の返事をupすることにします。????????????????はじめまして。reachと申します。 私も無政府が正しいという直観を持つ者の一人です。 …

神経科学の教科書を

さて去年同僚から神経経済学をやらないかと誘われて まあ、適当に参加させてくださいと言ったことが発端だった。 今ベアー、コノーズ、パラディーソという人たちの「神経科学」という本 http://www.amazon.co.jp/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%A7%91%E5%AD%A6-%E3%8…

建設的批判

会社による不法行為責任のポストを読んで 旧知の友人がすごーーくいい批判をしてくれた。 どうもありがとう。 小生はの意見とは、「企業の不法行為責任は株主なり、 経営者なりといった監視可能性のある個人にも負わせるべきだ」 というものだったのだが、友…

有限責任という特権

数年前に「法と経済学」の観点から 「はたして有限会社の制度は望ましいのか?」という問いについて しばらく考えていたことがある。 ここでの問題点は、kyuuri氏の疑問 http://libertarian.seesaa.net/article/89036684.html と同じものだろう。 有限会社と…

誰が企業の所有者か

なるほど、kyuuri氏が小生の疑問にクリアに答えてくれた。 http://libertarian.seesaa.net/article/88658066.html どうも感謝です。 今のCSRの理論に似ているのだろうが、 もともとポストモダンの論理には、 「主体などなく、あるのは主体の自由意志の錯…

CSRとフリードマンの企業観

kyuuri氏のブログ http://libertarian.seesaa.net/article/83877846.html に、今は亡きM.フリードマンのCSR批判が紹介されている。 この意見は20年前からフリードマンが言っていることで、 つまり「企業は株主のものであり、利益を生み出すのがその存…

日本の大学院教育

今日はたまたま出先で暇があるので、 ちょっと思い出したことを書いてみよう。 前にlibelerさんのブログで、 一橋大学のベッカーが人的投資の話をしたが、libelerさんは 「高学歴ニートが多い日本で、 ベッカー流の人的資本投資は成立していないのでは?」 …

合理的機能主義とはいうものの

昔々、大学時代の小生はいわばガチガチの機能主義者だった。 建築でいえば、バウハウスなどの虚飾を排したやつである。 しかし、大学を卒業して以降は、 ダンダンと自然が機能的でないことを、よーーーく理解して、 なるほど裸の機能主義とは一つの信仰なの…

Evangelismとはいっても

数年前に鬱からなんとか立ち直ってから 昔を思い出してリバタリアン・エヴァンジャリストになろうと決意したが、 実際にやってみると、これはこれでなかなか大変だ。 奇妙な人々からいろいろなメッセージを受けるのは仕方がないとしても、 何といっても、同…

原田泰さん

小生の「リバタリアン宣言」にも「国家は、いらない」にも 当然ながら、たいした人が賛成してくれたわけではない。 そんななかで大和総研の原田さんは 両書ともに非常に好意的な論評をくださった。 たいへんにありがたいことだ。 原田さんの『日本国の原則』…

なんで農家ばかりが保護されるべきなのか???

小生は日頃は、あまり感情的にならないほうだと思うのだが、 今日という今日は言わせていただく。 農水省は4月から小麦の30%値上げを発表したが、 これを報道するマスコミは「本当に困ったことだ」というような 庶民の意見を流しているだけだ。信じられ…

オカルティズム再考

20年以上も昔から驚いていることなのだが、 ドイツ発のシュタイナー教育というのがあって、 これが完全にオカルトそのものなのだが、 にもかかわらず、 教育学者にはこれに惹かれる人たちが連綿と存在する。 教科書にも載っていることが多いのだ、御調べあ…

Yes, we can!

ホントは原稿を書くべきなのだが、 なんかアル中でぼけた頭ではやる気が起きない。 さて今日はSuper Tuesdayだった。 クリントンが勝てば、女性初の大統領、 オバマが勝てば、黒人初の大統領。 別に現実の政治オンチの小生には大きな興味はないが、 どちらか…

法におけるエピメニデスのパラドックス

小生は学生時代から20年もの長い間、 法律のもつ自己言及的、あるいは階層的な性質の ゲーデル的な矛盾について興味を持ってきたのだが、 今日、ホフスタッターの本を読んでいて、 ついにアメリカのPeter Suberなる法律教授が これらの問題について著作を…

延長された表現型2

セーラー服姿の女の子の好きな男というのがいて、 あるいは別に看護師でもいいのだが、 そういう「制服」にモえるという趣味はいつの時代にもあった。 これはこれでわからないわけではないのだが、 おっさんになって思うのは、むしろ反対のことである。 ファ…

雑感

1、アホな僕は今日、Bryan Caplanのサイトを長時間読んでいて、 自分のような程度の思考で書籍を書いたことに、 またしても大きな自己嫌悪に陥ったが、まあバカなのだから仕方がないだろう。 小さなオリジナリティも(よーく見ればどこかに:爆)あるだろう…

オーストリア学派の市場観

新古典派のミクロ経済学を学ぶと、完全競争市場という概念が出てくる。 これは売り手、買い手ともに価格支配力を持たない場合に、 市場の価格と数量は社会的な余剰を最大化するというものだ。 よって、市場が独占であったり、寡占であったりする場合には そ…