kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

ルポ貧困大国アメリカ

知人の編集さんに勧められて
「ルポ貧困大国アメリカ」堤さんの岩波新書をよんだ。


久々に岩波の左翼節が全開バリバリで、
医療や軍事の民営化に反対の人は、
人々はさぞかし溜飲を下げたに違いない。

文章は確かにいいのだが、
僕が過ごしたアメリカの大学とはまったく違って、
社会の底辺層をルポするといった風情だ。


一番気になったのは、アメリカの医療費の高さの原因は
結局は十万人当たり240人という医師の過少な育成が原因だということが、
まったく書かれてなくて、
つまりは民営化されたために「貧乏人は死ね」となるとつながっていることだ。
ちなみに日本は200人ほどでOECD最低。


これは単純な国家主義者の陥りがちな間違いだ。
結局は、国家の権威を利用して、医学部の数を少なく維持して、
それによって、アメリカ医師会の少ない医師は忙しくなって、
儲かっているのだろうが、
低所得者層は踏みつけにされているということなのだ。


アメリカの場合、さまざまな最先端医療も充実しているため、
通常の外科や内科の医療をも十分に提供するためには、
現状の2−3倍の医師が必要だろうが、結局、医師は養成されていない。
そのまま民営化すれば、結局診療費が爆騰してしまうのは
なるほどあまりにも当然だ。


これはカリフォルニアの電気の自由化でもそうだが、
半分だけ自由化するととんでもないことになるいう教訓だ。
しかし、結局国家の好きな人びとは、そもそも民営化が悪いのだという。


なぜ、アメリカの医師の数を増やせと言わないのか?
なぜ、移民に完全な市民権を与えてやるべきだ、
あるいは国家を廃止して、戦争を根絶せよと言わないのか?
もちろん、それは日本でも可能なはずだ。
そもそも平等を目指す心に国籍などあっていいはずがない!!


奇妙な民営化反対、憲法9条守れへのすり替えはやめてほしい。
プンプン