kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

排出権オークション

今日はゼミの関係で炭素排出権取引について調べてみた。
ここのところは錯綜していて、判断がなかなか難しい。
大きな問題は2050年に50%削減という目標が
別段科学的な根拠がなく、単なる政治的なものであることだ。
これでは、多くの国は納得しないだろう。


がしかし、CO2による地球温暖化には多くの科学者からの異論はあるものの、
炭素排出流の削減を前提にするなら選択肢は二つしかない。
ひとつは排出権のオークションであり、もう一つは炭素税だ。


オークションには至らないものの、
EUその他の排出権取引はcap and tradeというものであり、
まずベースラインとして、鉄鋼や発電などに割り当てをして、
それを取引する。
この意味では、既得権益に大きく配慮したものだ。


日本はというと、取引自体に反対している。
いうまでもなく、各産業別の努力に任せるというテイタラク
あるいは究極の既得権益保護だ。
まったく実に日本の政策らしい。


もう一つの炭素税のほうが簡単なのだが、
EUアメリカの政治的な配慮も相まって、
おそらく世界的な取引市場ができるような風向きだ。
最初の産業別の割り当てを前提にして、
次第に完全オークション制度に移行するのが望ましいのだろうが、
むろんそれは難しいだろう。