kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

2009-01-01から1年間の記事一覧

一万年の人口爆発:どのようにして文明は・・・

amazon kindleで最初に読んだのはThe 10000 years of explosion。 この本には正直驚いた。 何がって、これまでの人類の歴史を集団の遺伝的な変化から説明するという、 僕の長年の夢に、すでに突入して、いくつもの興味深い仮説を提示していること。 ちなみに…

amazon kindle 使ってみた

皆さま もしも僕の「デアルとベキダ」をお楽しみの方がいたら こういったblog interruptionすいません m(__)m さてgadget maniacな僕は今年2009年に入って amazon.comのkindle2という電子ブックリーダーにすごく興味があったのですが、 ついに渡米すると…

1.3 大学の学問をみると

大学をみると 世間で人気の宗教は、憲法レベルでの政教分離の原則もあって、国家からは免税措置は受けても、直接的な補助金をもらうということはない。次に大学での研究を見てみよう。大学とは、我々が国家的な文教予算を組んでまで促進するほど価値のある、…

1.1 デアルとベキダ

1、デアルとベキダは別のもの 存在のデアルと当為のベキダ 環境運動の高まっている現代である。ある日、私は日立グループが提供しているテレビ番組「世界不思議発見!」を見ていたら、そのCMの中で、宮沢りえが「・・・そうだよね、私たちってみんな地球…

外国人の人権

さて3日遅れでロサンゼルス空港についた僕と家族は 管理官の理解不足からVISA statusについて入国管理のinspectionを受けることになり、 結局、3時間程度の拘束を受けた。 時差ボケもあって死にそうに疲れてしまい、立ち直るのにまるまる1週間かかったが…

成田の貨物機事故

23日に成田空港でFedEx貨物機が爆発炎上して主滑走路がふさがり、 小生は3日間千葉で足止めを食らった。 滞在その他いろいろな理由だけで純粋に4万円以上の出費になってしまった。 こういう場合、FedExが悪いというのが普通の常識なのだろうが、 僕はむ…

(デアル⇔ベキダ)? 目次

僕は去年「デアルとベキダは別のもの」という題で ほぼ230ページほどの一般向けの原稿を書いたのだが、 残念ながら出版社さんの方で諸事情があって難しくなった という連絡をもらってしまった(泣)。 で考えても仕方がないので、いつものように、 まずウ…

990円のジーンズ

よく在外の日本人がいっていることだけれど、 日本人はディテールにこだわるという「職人」的な文化を持っている。 対して、他国の中でもアメリカは「とにかく何でもあればいい」という感じで、 作り込みが何につけても大雑把だ。 (とはいえ、建築物のグラ…

安全をカネで買うなら

良く知られているように、 要はカネという考えは、アメリカでは住む所にも表れていて、 犯罪と所得に逆相関があるために、 安全をカネで買うという状態になる。 (こういったことが問題だと思う人はどの国にもたくさんいる。) 安全なところに住むには、高い…

日本のジーンズはなぜ高いのだろう?

14年ぶりにお気に入りのジーンズを買った。 これはwranglerのものなのだが、 15年前から15ドル=1500円で変わってない。 ちなみに日本のラングラーとはライセンス契約しているということらしいが、 別デザインで別のものだ。 隣のリーバイスは25…

移民のどこが悪い?

Frank SalterというMax Planckの政治学者の本を読んでいる。 この人も生物学から社会科学を構築しようとする意味で僕と同類だ。 なかではW.D.Hamiltonが最も引用されている。 これは当然と言えば、当然か。 彼の数値的な集団間の遺伝距離の理論は見るべきと…

fuyu-syaさんの言うとおり

まったくfuyu-shaさんが指摘してくれている通りだ。 「要はカネ」なのが、アメリカの社会なのであり、 ある意味で政治とは独立した部分があるために まだ僕は助かっているという事実は確かに厳然としている。 SSNなんかなくても、例えば100万ドルのキャッ…

久しぶりにアメリカに来てみると

14年ぶりにカリフォルニアに来て家族のアパートを探した。 光がまぶしいことを思い出した。こういうところだったんだ!!さて問題になったのは、Social Security Number SSN (社会保障番号)だ。 これがないと、携帯電話も契約できないし、アパートも借り…

進化論と社会科学

僕が大学に入った84年当時、進化論と人間科学を結び付けようとする研究者はいなかったように思う。 社会科学の研究者には全然関係がないと思われていたのだろう。 対して、まさに観念論みたいなのが日本の支配的な社会科学だという感じだった。しかし、ア…

今年の予定

僕はあと10日余りした23日からアメリカに行く予定なのだが、 一般に大学では、7年に一度ほど研究休暇を取ることが多い。 これはsabbaticalと呼ばれるが、「安息日」を意味するサバトと同語源のようだ。 多くの研究者がこれを使って著作の原稿を練るのだ…

高橋泰城さん

先日北大の高橋泰城さんにセミナーをしてもらった。 この人は科学の未来をつくってゆくであろう素晴らしい知性の人で、 その科学的知識の深さ、広さ、理解力には小生はただただ驚嘆してしまった。 内容がやや専門的になってしまうが、 ヒトの時間割引につい…

経済学の基本を学ぶ良書

本書は元実務家であり、現在は経済学教授によって書かれた 秀逸な経済学の入門書であり、『スタバはグランデをかえ』の続編である。 一読して、価格の決定がいかに為されているかが、経済学の標準的な理論を使って 丁寧に説明される。特に、シニア割引のよう…

免許制度の愚

昨日、友人と話していて、 岐阜県の交通安全協会は当然に「順路」上の最初にあって、 自分は絶対に払わないと主張すると、 別コースでの手続きするペナルティがあると言っていた。 だいたい、田舎の交通安全協会の方が、 住民運動がない分だけ、こういったい…

リバタリアンはこの不況をどう捉えるか?

以下のメールは知人に送ったものだが、 現状の経済不況への僕的な認識を示しているので、 お読みください。 ?????????????????????XXXXさま さて、この世界大不況を目の当たりにして、 資本主義を信じるのは確かに難しいかもしれないで…

libetarian paternalism

シカゴ大学のリベラル学者のThaler と Sunsteinが 以前からの多くの論文に加えて去年"Nudge"という本を書いて、 libertarian paternalism を広めようとしている。 この考えは、自由に退出可能なオプションは用意するが、 しかし、defaultとして、政府が望ま…

遺伝子が俺を殺人に駆り立てたんだ!

人殺しをした生物学的父を持つ男が、 養子として通常の家庭に育ったが、 生物的な父と同じように残虐な殺人をしてしまった。 弁護士は、「彼には殺人の遺伝子があり、 彼はその言いなりになったのであって、 責任を問えないのだ」と主張した。 これは例によ…

東アジア人が科学を生み出せなかったわけ

前前回のpostはかなりヤバい内容だったが、 今日はさらに常識的ではない、politcally incorrectなことを書いてみたい。 DenmarkのNyborgという学者(彼はHanse Isenckの学徒)は、 男女双方において、性ホルモンが多ければ多いほど、 その個体発生が攻撃的、…

Hey Say Jump

3歳の息子がHey Say Jumpにはまって、 毎日ようつべで数時間もいろいろみている。 先日友人とも話したことなのだが、 小生の中学時代のタノキントリオから始まって、 ジャニーズの人気というのは実に東アジア的なものだと思う。 西洋文化には、美少年アイド…

合理性とは何か?

近代啓蒙主義のテーゼの一つに、 「合理的ではない差別は、理性に照らして肯定されない」 というような、ある種の平等主義がある。 僕はこれにひじょうに納得しているし、 自分はかなり教科書的な生き方をしていると思っているのだが、 問題は随所で起こって…

澤口俊之さん

一昨年まで北大医学部の教授をしていた脳科学者に澤口俊之さんという人がいる。 昔『脳と心の進化論』を読んだときに、 非常に独創的でいい学者だと思った。 科学ジャーナルに精通している人で、 霊長類の大脳皮質の進化が、 社会性の発達によって直接的に影…

神経経済学は「政府」を肯定するのか?

以下の文章は小生が、今日知り合いの学者に送ったメールである。 ここに、はたして小生の下部科学的な意思決定のミクロ理論への探究と、 マクロ的なリバタリアンな思想が、整合的であり得るのか? という疑問へのtentativeな考えを示してみました。 大変に長…