kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

澤口俊之さん

一昨年まで北大医学部の教授をしていた脳科学者に澤口俊之さんという人がいる。
昔『脳と心の進化論』を読んだときに、
非常に独創的でいい学者だと思った。


科学ジャーナルに精通している人で、
霊長類の大脳皮質の進化が、
社会性の発達によって直接的に影響を受けたこと
(Machavellian intelligenceと呼ばれる)について
実証的、定量的に結論付けたという実績を持つ学者であった。


ところがその後、
なぜか不思議なトンデモ本を多く出すようになって、
噂によると、セクハラで大学を去ったと聞いている。


今日たまたま『HQ理論:人間性脳科学』を読んで、
知識の量はかつてと同じように素晴らしいのだが、
何か「トンデモ的な違和感」を感じてしまった。


なんというべきなのだろうか???
放言的な意味での断言の多さや
人間存在の「善性」の結論、
日本人の存在の目的は「世界の人々のために生きる」という(ミョーに)大胆な断言、
などなど、どこかズレてしまったところが不思議な著作になっているのだ。


どうしてこういうことが生じたのだろうか?
多くの本をマスコミの要求に応じて書きすぎたからなのだろうか、
あるいはある種の(小生には理解できないような)変化が彼の精神に生じたのか。
謎は深まり、残念無念が残る ヒュー〜〜。