kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

2010-01-01から1年間の記事一覧

LJP:ブタ肉を保護するな

円高で日本の製造業が壊滅の危機に瀕しているそうだ。しかし、円高で輸出産業は困るだろうが、庶民は安い輸入品を楽しめるのではないか?ところが、そうは国家がおろさない。豚肉を例にあげてみよう。1971年にブタ肉を自由化した際に、キロあたり524円以下で…

無政府は安定的たり得るか?

僕は自称、無政府資本主義者であり、実際そういったスタンスで本も書いてきた。しかし、slumlordさんの「なぜ私は無政府主義者ではないのか」 http://d.hatena.ne.jp/slumlord/20100917/1285076558を読んで、遠い昔に考えていた懸念が確かに僕の中に蘇り、僕…

「粗食のすすめ」読んでみた

幕内秀夫 「粗食のすすめ」を読んでみた。著者幕内秀夫氏は「粗食」シリーズですでに有名であり、他にも多くの著書、レシピー集や対談などがある。内容としては、各地にはその地域に応じた健康食があり、西洋的に肉食と乳製品を優れたものと考えるのは、単な…

自殺や安楽死はなぜ悪いのか?

anacapさんがLJPのエントリーで、「なぜ殺人は悪いのか?」として、以下の文章を投稿している。???????????????????????????結論から言うと必ずしも悪くない。安楽死があるからである。安楽死を望む人間はお金を払ってでも死にた…

流通の下克上

全然関係ない話題になってしまうが、デパートに行くと、本当に下克上という言葉の意味がよくわかる。近所の松坂屋や三越の男性フロアにいっても、だれもいなくて、単に売り子のおばさんがいるだけ。それに比べて、近くのいろんなビルに入っている、United Ar…

「見えるものと見えないもの」を、、

先日は、Boldrin and Levine の中から、 「James Watt のパテント工作によってやたらと蒸気機関の進歩が遅れた」という部分を要約、あるいは解説したいと書いた僕ですが、遅れてばかりですいません。著者たちは against intellectual property ということで…

リバタリアン宣言

リバタリアン宣言1、日本の政治とリバタリアニズム 小泉構造改革とリバタリアン 「小さな政府論」の背後にあるもの 社民リベラル VS リバタリアン 事前規制から事後調停へ 民主党の迷走 日本人とクニガキチントの罠2、リバタリアンな社会とは 現代国家の役…

国家は、いらない

1、公共選択理論と立憲民主主義 官僚の天下り 公共選択理論 ブキャナンとフリードマンの立憲民主主義 自由の経済的、倫理的価値 平等を指向することを前提にしても2、生活インフラを考える 電気とガス 水道行政の非効率性3、異常な地価 そもそも日本の土…

ベキダ デアル

(デアル⇔ベキダ)?? (デアル<−>ベキダ)? 目次1、デアルとベキダは別のもの 存在のデアルと当為のベキダ 宗教を見ると 学問の世界では 自然・個人・社会の三つの階層 人についてのベキダ 社会のベキダとは デビッド・ヒュームと自然主義の誤謬 カール・…

無政府社会と法の進化

無政府の法と社会前書き この著作は、アメリカの無政府資本主義者であるフリードマンやロスバード、ベンソンやバーネットなどの指導的な研究者の研究を、おおまかに統合したものである。彼らが過去40年以上にわたって企て、すでに大きな結実をみている研究…

Silicon valley v.s. Route 128

Boldrin and Levine の Against Intellectual Property を読んだのは、前にも書いた。僕はアマゾンで本を買ったが、オンラインでも無料で公開されているので、皆さんも興味があったら読んでください。http://www.micheleboldrin.com/research/aim.html 僕は…

typeAさんへ

今 LJPでのtypeAさんからの宿題を読みました。 警察に民営化が起こるとするなら、それはちょうどNTTが民営化して、いくつかの通信会社がライバルとして市場参入した場合とおなじになるのではないかと思います。おそらくは、より低価格と、顧客の要望への真摯…

レコテレビは進歩ではあるが

この夏、三菱のレコーダ入りのテレビを買ったのだが、ウェブで書き込まれていたように、確かに反応がパソコンじみて遅かった。でもそれは覚悟していたので、全体としてはとても満足している。僕はBBCの番組が好きなのだが、子供の相手をしながら、BSチャンネ…

アリストテレスは死んだ

今日は一日本を読んでいたので、なんかさすがに飽きてきた。ので、平凡助教授のサイトを読んで、公共哲学で有名な山脇直司さんとのやりとりを読んで、なるほどと思ったし、「形而上社会科学」について僕が思うところを書いてみよう。http://theorist.blog6.f…

映画の著作権は要らないだろう

映画の著作権がなくなったらどうなるか?については、多くの意見があるが、Boldrin and Levineでは、著作権の訴訟が事実上できない、ポルノ産業を例にあげて、著作権の無意味さをしている。ポルノ業界は、メジャーの映画よりもはるかにコピーが多いが、監督…

独占的著作権の全廃

Michele Boldrin and David Levine の「Against Intellectual Monopoly」を読んでいる。この本の主張は、パテントやコピーライトが現行制度では、所持者の独占を許している点で、社会の発展と相反するので、独占させるのはやめて、相当な対価を支払えば誰で…

「合理的楽天主義者The Rational Optimist」 by M. Ridley

そういえば Matt Ridley の「The rational optimist」を先週読んだ。http://www.amazon.com/Rational-Optimist-How-Prosperity-Evolves/dp/006145205X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1283527718&sr=8-1 内容としては、1、現世人類は交換・商業活動によっ…

アビーという冷凍保存の会社はスゴイ!

言うまでもないことですが、僕は基本的に科学への信仰があるので、科学を相対化するような文化相対論に反対していることは間違いありません。とはいえ、既存の科学では否定される、あるいは説明できない発明を否定する気はまったくなくて、むしろそういった…

名古屋でリバタリアニズム

今日は懇意の方からのお勧めで、名古屋市内でリバタリアニズムについて概説的なトークをした。内容としては、リベラリズムの変化、自然権的リバタリアニズム、帰結主義的リバタリアニズム、具体的な政策、などなどと通りいっぺんの話だ。 聞いてくれたのが、…

LJP: 電波オークション再論

kyuuriさんが池田さんの書いてるものに反論したらどうか、とサジェストしてくれたので、一筆奏上してみた。?????????????????????????僕は電波オークションで、税金を廃止しよう、と主張している。さて電波についてネットでのよく…

若者を虐げる制度はやめようよ

阪大社研の行動経済学シンポジウムに行ってみた。 近藤さんという労働経済学者が発表の中で、「日本では失業率が1%上がると、その年の高卒生の就職率が3−4%さがり、生涯賃金も5−6%ほど下がる」といったような話をしていた。日本の大企業は解雇規制が…

電波オークションのブログ雑感

そういえば、僕のLJPでの電波競売についてのブログポストに、kyuuriさんがコメントをくれていたので、それについてちょっと思ったことを書いてみたい。 森村さんは「死者は独立した法律主体ではありえないから、死者の財産を国庫に移転することで、最小国家…

右翼・左翼はヒトの行動戦略だ

今日僕は去年見つけて、しかし読まないままに帰国して、その後研究室の箱にしまったままに先延ばしにしてきた論文を読んだ。 これはNewcastle 大学の Daniel Nettle による2006年のものだが、彼の主張は、「人間の性格の違いや分布は、進化的な理由があり、…

警察を民営化したならば

なんか、僕がこの前書いたpost、「子供の虐待を救うためには、おそらく虐待専門のNPOなどが、現行の警察部隊と別に必要だろう」というのが、twitter上では面白くない人が多かったらしい。なんといっても、家宅捜索令状もないのに、勝手に家に上がりこんで、…

変えられるものと変えられないもの

いつも感じていることだが、ある社会制度がどの程度成功するのか、という問題を考えるとき、僕は常に人間の「自然状態」から考えてみる。ここでいう、自然状態とは、まあエントロピー的にもっとも安定的だ、という程度に感じてもらいたい。例えば、気温が2…

雑感

そういえば、この前 kindle DX を買ったんだけれど、使ってみると、オリジナルの kindle に比べてページめくりなどの機能が高速化されていて、はるかに読みやすく、使いやすくなっていた。おそらく、新しい kindle 3 はもっとよくなっているのだろう。 つい…

マネーへのタグ追跡

LJPでいろいろとリフレについて議論が起こっているのと、名古屋でもついにSUICA(互換)マネーが全面的に導入されるというニュースがあったで、ちょっと関連した話題を一つ。 インフレが産出量を増加させるのか?、あるいはさせるとするなら、それは貨幣錯覚…

片目の天才

論文を各必要があり、内心かなりアセってもいるのだが、なんかノらないので、ちょっとまたD.フリードマンの「日常生活を経済学する」を読んでみた。僕は彼の天才に常に感心してきたが、同時に不満もある。 それは彼の2000年以前の著作では、ほとんど経済…

LJP: 電波の使用はオークションで

僕の理解では、日本のリバタリアニズムの普及には、「自由はどこまで可能か」の著者である森村進さんが、先発的に重要な役割を果たし続けてきたと思う。で、彼は税金に代えて、人が死亡した際に、その無主物たる財産を使って、最小国家を維持することを考え…

kindle recommend too many stuff

何の理由かわからないが、アマゾンのkindle でのオススメが、去年までは24冊だったのに、今年から無制限になった。 どんどん本の名前を見ていくと、子供の為に買った英語の本やら、昔興味のあった無神論なんかが出てきて、ある意味、自分の思考の地層にな…