kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

資産運用のカラクリ

 またしても外資系の実務家の書いた 小金持ちを目指す たぐいの書籍です。著者の安間伸氏は実務家として非常に豊富な税務知識をもっているようで、それが本書の大きな特徴です。

 あまり内容として 特筆すべき点はないようにも感じたのですが、あえてリバタリアン的視点からコメントをするなら、著者の意見である「日本の税制には理念がない。あえていうなら とれるところから取る」という程度でしかない。という認識は卓見です。

 とはいえ、もともと強盗団でしかない国家支配者と官僚がbenevolantな税制を作っていたとするなら むしろそっちの方が驚きです。現代の経済の国際化に伴って、あまりにも非効率的な制度は税源そのものが海外逃避をしてしまい、強盗団にとっておいしくないと言うことは言えますが、、

 やや実務的な点に関して言えば、銀行預金の利子所得には2割の税がかかり、株式の配当所得の場合は雑所得として1割になるのは、間接金融と直接金融の垣根が崩壊しつつある現在にまったくふさわしくないものだといえるのは著者も指摘しています。

 残念ながら官僚組織はとれるところから税金を取るだけなのであり、その決定プロセスはまさに政治そのものです。これは何を意味するのでしょうか?つまり社会制度の非政治化=無政府化しか望ましい回答はないのです。