kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

『金持ち父さん貧乏父さん』

 4年ぐらい前に流行った いわゆる「金持ち本」の中でも一番のベストセラーです。著者は日系アメリカ人のロバート・キヨサキ氏です。僕は単なる政治思想家であって金融実務家ではないので、ゼミ生の興味に従って読んでは見たものの、リバタリアンとして生きたい僕としては、通常人とは違ったことに興味を引かれました。

 著者は金持ちになるためには、自分の会社をもつ(ことによって効果的に節税し)、リスクをおそれずに投資を行っていくことだ、といいます。その通りだと思います。が同時に、彼は同じことをやって偶々成功した人間なのかもしれません。この疑問は懐疑主義的な人間が常に話題にしていることですが、金持ち本のほとんどは「偶然の結果として」金持ちになった人たちが書いているために、金持ちの主張には普遍性がないということなのです。

 ひとつ納得できたのは、彼の「資産」の概念です。資産は通常所有している土地や自動車などを指しますが、実は自動車は税金を取られるだけで転売価格の低いいわば負の遺産であり、土地もまた管理費や税金などを取られる負の遺産になりがちなものです。資産とは純粋に所有者にネットのキャッシュフローをもたらすものでなければなりません。このことは重要な認識であり、そうすると我々庶民にとっての資産とはやはり株式や投資信託・外貨預金しかないように思われます。

 また、著者のいうfinancial independenceこそが真の自由を意味するのだという点はもっとも共感しました。僕も含めて経済的に他人に雇用という形で頼らざるを得ない人々はみな奴隷です。真の自由人は自分の人生を切り開くに十分な蓄えを持っているもののことで、そうでない僕は所詮は所属法人の様々な意味において奴隷なのです。

 願わくは、いつの日か奴隷から自由人の立場にならんことを、、、アーメン