こんにちは。
先日、大学時代からの友人と会って、食事をした。で、彼が最近書いたということでもらったのが、この本。
もちろん、いろんなことが書いてあるけど、ここでは彼が僕との会話で発言した、もっとも重要な部分を一つだけ。
「日本のIT業界が腐って競争力を失ってしまったのは、終身雇用という制度のせいだ」というもの。
なぜか?
日本ではかなり大きな会社でも社内にシステム構築などを手掛けるIT部門がないことがほとんどだ。で、富士通やNECなどのSierに外注する。この関係性は所詮は外部なので、出来上がったシステムそのものは、とんでもなく非効率的で競争力がない。
では、なぜ内部にIT部門がないのかといえば、システムというのは設計、構築といった立ち上げるときには大量の人材が必要だが、それが終わると人があまり要らないメンテモードに入るが、この人員変動を終身雇用の前提では支えられない。結果的に、Sierに外注するというのが最適解になるが、それはアメリカ企業のようなアジャイル・効率的な開発がまったく不可能だということになる。
これは多くの企業だけではなくて、すべての政府部門にも当てはまる。役人にはIT人材がいないため、国税庁のe-taxを見ればわかるように、ゴミのようなシステムを使い続ける、あるいは恐ろしくゆっくりと改善していくことになる。
ということで、最適な経済システムは、終身雇用ではなくて、「プロジェクトごとにエンジニアを集める」というアメリカ形である、というか、結果的に現代はそうなってしまっている、ということだ。こうした雇用の不安定さを補うためには、プロジェクトごとにエンジニアに1億以上支払うような柔軟な報酬設定が不可欠であり、それはまさに日本的な年功序列、終身雇用では不可能なことなのだ。
「日本人には、そういうことができない」というのはウソだ。だってプロ野球選手やJリーガーはたしかにそういう雇用形態になっているのだから。問題は、そうした意識が社会の常識になっていないこと、だから「学歴」などというゴミのようなものが、重視されてしまうである。
というわけで、僕たちの会話は一致することになったが、こうした話は、彼とは大学時代からし続けてきた。あれから35年以上が経ったが、日本は変わらないままゆっくりと衰亡している。なんとかしたいのだが、、、
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