こんにちは。
オデッド・ガローの本を見つけたので、彼の分析について書いてみることにした。
この本(や彼の論文)ではガローははっきりと言っていないが、「遺伝的な差が経済発展の基盤である」と経済発展の遺伝説を唱えた。心理学をマトモに勉強したものには、それがIQのことであることは明らかなのだが、彼はそれを明言しないのがさすがは経済学者だ。バカなのか、政治的に賢いのか? とはいえ、もちろんPCな経済学者たちからは、猛反発を食らっている。
しかし、バカなのは完全にPCな経済学者の方で、Richard Lynnによる世界各国からの推計ではIQが1上がるごとに6%ほど所得が上がっている。
アフリカは70、ヨーロッパは100なので、大体その差は6倍ほどの違いになる。経済学者では、この問題を確かめたのはGeorge Mason UniversityのGarret Jonesだけだが、しかし彼は2006年以降こうした危ない研究をupdateしていない。僕自身もこうした結果に驚いて、6年ほど前に推計したところ、関係は8%ほどだった。ちなみにR-squaredは0.7くらいで、これは経済学としてはとても高い。石油・鉱物資源とか、どうでもいい偶然もあるので、各国の一人当たりGDPが知能だけでは決まらないことは、どうしようもない。
http://www.jeameetings.org/2014f/Gabstract/L-003abstract_KenyaKura.pdf
Francis and Kirkegaardによる今年の報告ではIQ1point= 7.8% differenceということなので、10倍ほどの違いになる。実際に、アフリカとヨーロッパの実質所得水準は10倍ほどの違いである。
経済学者は、昔だったら資本の蓄積理論とか、今だったら「失敗国家」だとか、あるいは教育の失敗だとか何でもテキトーに言ってきたが、生物学や心理学と完全に不整合であり、もはや説得力がまったくない。まったく見当違いの説明をして、普通の人々を騙し続けるのはもう限界だろう。
とはいえ、こうした事実はあまりにも残酷なので、公然と言えることでもないのが難しい。。。
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