僕は 漢字が嫌いだ．嫌い というより，無益有害なので，その教育を日本人はやめるべきだと思っている．
これは何度も言っていることだが，それは漢字が効率の悪い表意文字であるためであって，昨今の日中の軋轢とは直接的にはあまり関係がない．
こんな僕でも，２０年前には韓国語・中国語を学習するために，ソウルや北京にそれぞれ２ヶ月以上も語学留学した．つまり，別に 根っから韓国や中国が嫌いなわけではなかった．むしろ，伊藤博文を暗殺した安重根の書をソウルで読んだ時には，彼は確かに東アジアの文化的な一体性を意識していた素晴らしいインテリなのだと通関したほどだ．
だが，僕が学生だった３０年前（１９８５年）には，アジアはヨーロッパに学術的に追いつくに違いないと考えていたが，それは全く実現しなかった．経済的には，まあまあ追いついたと言ってもいいと思うが，科学への貢献は中国人はゼロのままだったのが，大きな誤算であり，同時に驚きだった．このところ，これは遺伝的な必然なに違いない，というのが僕の確信となってきた．なぜ中国本土から一人もノーベル賞も，フィールズ賞も出ないのか？
それだけではない．経済学でも，日本人は欧米の経済学の猿マネだ． 中国，韓国に至っては，猿マネにすら届いていないほどにレベルが低いままだ．
ちなみに，アメリカにはやく５％のアジア人がいる．中国系，日系，韓国系だけでも３％にはなるだろう．彼らはとても優秀な学生で，Ph.D．まではとるが，どのエリアにおいても，まったく独創的な貢献をしていない．事実，アジア系アメリカ人でノーベル賞受賞者はいない．
何かがよほど違っていなければ，こんなことが こんなに長く続くはずがない．それは，つまり遺伝的なものなのだろう．アジア人は学習は高速だが，オリジナルな創造性を発揮できないのだ．
この事実は我々に多くのアポリアを突きつける．
ここでは，そうした難しい問題に応えたいのではないので，結果として，東アジア人はヨーロッパ人の後追いしかできないだろう，という予測をするに留めたい．それでも十分に工業製品その他で人類に貢献しているのだし，問題はないと思う．多くの国で，ヨーロッパ人よりも東アジア人のほうが所得は高いのだ．つまり，ヨーロッパ人は分散が大きくて，アジア人は保守的な気質から，役人や中間管理職になっているということだ．
こうした事実は，まったく人びとに知らされていない．意図的か，そうでないのかもよくわからない．だが，近い将来に我々の社会のあり方に社会哲学的な問いを突きつけるだろうことは，まちがいない．
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