こんにちは。
1993年にワイルズがフェルマの最終定理を証明したという話は、ボクがサンディエゴの大学院にいたときに伝わってきた。経済学部ではあったが、多くのアメリカ人のクラスメートは数学や物理を学部時代にMajorにしていた。それもあって、大学院の一年目では気の合うドイツ人の友人に誘われて、絶対に経済学では使わないだろう複素解析と超準解析のコースを勉強してみた。そういう数学的な経済学がサンディエゴ校の校風だった。
(ちなみに、超準解析は、無限小という概念を導入する特殊数学だ。これによって、ある種のゲーム理論に解を与えることができるので、使われる論文もJournal of Mathematical Economicsなどには稀には載っていたように記憶している。)
もちろん、数論は経済学ともっとも関係がないので、「へーえ、ついにフェルマの定理も溶けたのかぁ」ぐらいにしか感じなかったが、それでもスゴい業績であることはよくわかっていたつもりだ。
この本は、谷山・志村・ウェイユの予想、その他にも多くのメジャーな数学者との関わりもよく描かれていて、とてもおもしろい本だった。これまで良い本だという話を聞いていたのに読まなかったのが、本当にもったいなかった。とはいえ、同じ内容でBBCの番組もYoutubeに乗っているので、本を読むよりも映像を見たほうがわかりやすいかも。
どっちでも良いが、おヒマな時間にどうぞ。 楽しめること請け合いだ。
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