kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

認知能力の低下

こんにちは。

 

このサイトでは、できるだけ楽しい抽象的な議論をしたいのですが、母の介護でイライラしているので、ちょっと実存的なグチを書きます。

 

MCI(軽度認知症)の親の世話をしていると、知的に退行するということが、一体どういった状態になることなのかが、良くわかるのが辛いものです。

 

世界全般のことには興味がなくなって行く反面、新聞やテレビにあふれかえる健康食品・器具の宣伝。つい、それを聞いて、読んで説得されて注文するが、商品が着くまでには興味を失ってしまう。自分の注文が無意味であったことはわかるが、代金は支払うということの繰り返し。

 

ということで、世田谷食品、キューサイショップジャパン、その他さらに質の悪い20くらいの会社へ電話をして、母の申し込んだ月間の継続支払いを解約する日々。ところが、息子が何日か家を空けると、また何かを注文しているといういたちごっこ、、、、はあ~~ 疲れるよ。

 

先日は、「女性だけの30分フィットネス」のカーブスを一度だけお試しする際に、継続契約を申し込んでしまっていた! 本人は契約を理解できないし、その記憶もないが、すでに5万円が引き落とされていることが判明。それで解約するために、アッチャコッチャ走り回りました。これは通販全体に言えるのですが、最初のマキエのお試しでも、必ず継続契約をさせるようなやり方には腹が立ってきます(← 完全に逆恨み 苦)。

 

余談ですが、信用金庫では高齢者の振り込め詐欺を防ぐために、カード振込自体ができなくしたとのこと。それによって、支払いその他にあれこれとまた面倒な手続きが必要になってしまいました。

 

結局のところ、知的に衰えるというのは、情報処理能力、判断能力、記憶力も減退して、その金銭もいいようにむしり取られるということにならざるを得ません。(民法では成年後見制度などもあります。しかし現実的には、よほどの高額取引でもなければ、逐一の契約行為を取り消したり、あるいは無効だとか言って回るのも、ほとんど非効率の極みです。)

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さてここで、もう少し意味のある思索を展開してみましょう。老化によるMCIは、知的能力の全般的な低下の極端なものです。普通の成人でも知的な能力は正規分布しているので、知的に恵まれていない人たち(例えば第1分位)の生活は、とても大きな困難を伴うことがわかります。

 

そもそも稼得所得が低いだろうし、さらには貯蓄をするにも、消費を差し控える意志力が必要です。もちろん、銀行での貯蓄を超えて、各種の投資活動をするためにはかなりの知性が必要でしょう。

 

うーん、こうした現実を考えるなら、自然と左翼的なパターナリズムに傾きたくなるというものです。

 

しかし高齢者の健康食品詐欺を防ぐということを、通常人へのパターナリズムに置き換えてみましょう。それはつまり、パチンコを禁止して、各種の性風俗産業を禁止して、あれを禁止して、これを禁止して、、、、 20世紀の社会主義国家 = 何の文化も発展もない、官僚主義の支配する1984になってしまいます。

 

では どこに着地点があるのか?? 

 

さらなる悲劇は、どんどんと人類の知能の格差は開く一方だという事実です。遠くない未来には、今の証券会社の自主規制のように、さまざまな契約能力・行為能力に制限が課されて、法的な平等でさえも維持できなくなるのかもしれません。

 

 

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