kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

モラル・トライブズ

こんにちは。

 

暑気あたりで休憩しているうちに、今日になってしまいました。ダラダラとYouTubeなんかを見ているうちに時間がすぎるのは、すべての宗教が戒める「怠惰」そのものです。Youtuberは生産者であり、見ている僕は単なる消費者です。消費は楽だし、楽しいが、生産は苦痛というもの。

 

このサイトのように、生産とも呼べないようなものは、何か生産しているようでもあるが、消費しているだけのようにも思われるところが、やや中途半端ですね。

 

モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上)

モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ(上)

 

 

この『モラル・トライブズ』の主題はいくつかあって、ここでは全部紹介しきれません。とはいえ、ここで適当にまとめると

 

  • ヒトの進化は、その行動規範(道徳)に「部族主義」を埋め込んだ。それは部族間で抗争があったことから生じる進化論的な必然である。
  • よって ヒトは身内(オレたち)を贔屓して、よそ者(ヤツら)を排斥する道徳的な傾向を持つ。
  • この心理は、心理エネルギーを必要としないような「直感的 hueristic」なものである。
  • これに対して功利主義は、相互の立場を同じように(可換的に)扱うため、より高度な「思考」を必要とする。
  • ヒトは互いに共存するためには、「オレたち」と「ヤツら」という直感を超えて、知的な思考に基づく相互主義を採用するしかない。

 

というほどになるでしょうか。この他にも、功利主義と義務論、あるいは徳倫理主義との対立などの論点も含んでいるのですが、それはまた機会があったら、説明したいと思います。

 

 ジョシュア・グリーンはトロッコ問題に脳科学的な支店を持ち込んだ哲学者・脳科学者です。こういう知性こそが、道徳哲学のように、到底前進しようもないように思われる論争を、わずかずつ進めるということができるのでしょう。久しぶりに、完全にまいった! 

 

僕が彼に納得できないのは、唯一彼のリベラリズムですが、それは明らかに程度の問題です。政府がどの程度 望ましい機能を「実際に」果たしているのか? という現状認識に関係する点です。グリーン自身が書いているように、政府の機能についての実証研究を進めることで、我々はもっとリバタリアンになるべきなのだと思います。

 

 

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