kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

「通貨・信用・経済循環」1章

こんにちは.


相変わらず,一日中,翻訳作業にかまけています.なんといっても1000ページの大著なので,やってもやっても終わりません.


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デソト教授の「通貨・信用・経済循環」の1章は,銀行預金の法的な性質についてです.チョウ短くまとめると,


預金契約の金を銀行が引き出すのはおかしい.なぜなら預金者は,金を預けていて,常に利用可能だと期待しているのに,銀行はその金を(1部を残して)勝手に投資やローンに流用しているからである.


うーん.なるほど.これだと,預金者は利子をもらうのではなくて,保管料金を支払うことになります.


現存の銀行の預金契約は,そもそも何が銀行の義務なのかをはっきりさせないままに,国家の法律によって特権を与えて,準備率を超える部分は自由に利用していいことにしています.でも,考えてみると,これは預金者が引き出したいときには準備金がないこともあり得ます.それが取り付け騒ぎやモラトリアムを生み出すわけです.


こうして1章は法的な視点から,現在世界で実施されている銀行預金制度は,ローマ法の預託契約から逸脱した異形の法制度=特権であると主張します.


で,この結果として,預金は銀行に利用されるべきではない,と言う結論が導き出されます.
さらにこの結論が意味することは??  


2章以降を乞うご期待.



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