kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

CBDC 日本もとっととやれ!

こんにちは。

 

さらに一言。

 

日本はCBDCに乗り気ではない国だ。これは間違いない。「現金信仰」があるからという風に日経なんかは書いているが、それは単なる間違いで、単なる保守的なメンタルがあるだけ。

 

www.jiji.com

 

CBDCを実証しようとするなら、通信が悪い場合やオフ・チェーンの状態でどうするか? とか、いくつもの問題がある。でももっとも大きな問題は、民間銀行の信用創造の特権をどうするのか? という難問が解けないことだ。

 

というか、これは200年も続いている既得権益なので、アメリカ・EU・日本などのこれまでの銀行行政に慣れ親しんできた大国には解決が難しいだろう。小さな国やあるいは中国のような独裁国家のほうが、そうした既得権益を無視できるので、改革は早そうだ。

 

今の銀行は、例えば預金額の50倍以上を貸し付ける権限が与えられている。これがCBDCが導入された場合に、どうやってそうした「インフレ」特権を与えることが可能になるのか?? これは、前例がないだけに、まったくナゾのままだ。むしろ銀行の信用創造特権を廃止するのが自然なんだろうが、、、 これについてはカリブ海のサンド・ダラーその他の実証実験を見てみたい。

 

あと、こうした銀行の信用創造が、設備投資などを促すことで「経済の拡大」、あるいは「景気の高揚」に役立っているというケインズ主義、あるいは主流の経済学者の意見については、大きな疑問がある。これはオーストリア学派が100年前から主張していることだが、

 

「もし、ある種の投資が望ましいのであれば、銀行による信用創造がなくても個人レベルからの投資が集まることで自然とそうした有意義な産業は信仰される。もし銀行による信用創造があれば、(ITバブルなどのように)無意味なレベルまで投資が高まってバブルが生じるため、その後の景気の後退を生み出すので、むしろそうした活動は長期的な経済発展の視点から見ると望ましくない」

 

という意見をよく考えてもらいたい。明らかに信用創造の特権は長期の経済発展に寄与していないはずだ。なぜって、長期的には技術の進歩と、それに応じた資源配分の適正化だけが経済発展を支えていることは(数百年という単位で見れば)自明だからだ。

 

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