Religion and Intelligence: An Evolutionary Analysis
- 作者: Edward Dutton
- 出版社/メーカー: Ulster Institute for Social Research
- 発売日: 2014/03/31
- メディア: ペーパーバック
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世界的に見て,あるいは個人レベルで見ても,やたらと宗教的な人たちは,あまり知的ではない傾向がある.という単純な事実をきっちりと描き切ったのが,この本.
ドーキンスがいうように「宗教は妄想」なのだが,それが必要不可欠でないという事実は,それが非適応的であることは意味していない.いや,おそらく現代社会では,非常に適応的なのだ.なぜなら,宗教心のあつい人びとは,より多くの子供を残しているのだから.
それだけではなくて,彼らは より幸福であるし,悩みも少ないのだから,素晴らしいことであるのは間違いないだろう.
パスカルのひそみにならって,「合理的な個人は宗教的であることを選択する.なぜなら,宗教的であることは,個人を幸せにして,子孫をより多く残すからだ.」とさえ可能だ.
Rationalism fundamentalist としてこうした考え方にはまったく納得しない.合理主義が 囚人のジレンマや公共財ゲームにおちいってしまう状況があるとしても,思考ではなく何か超常的な存在や力を信じること,そうした行為自体が「クレタ人のうそつき話 = エピメニデスのパラドックス」なのだ.
でしょ?
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