kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

STAPが嘘だったとは!!

オボカタさんの事件は、適当にカルく流し読みしかしていなかったが、「いくらなんでも理研のプロジェクトで、実験が再現不可能なんてことはないだろう。多くの研究者人生もかかっているんだし」という程度の感覚を持っていた。言うならば、7割がシロで3割がクロという感じか。。。


ところが、今日友人と話していて、彼女は大変なダマシ系キャラであるということが納得できた。完全にクロというBayesian update!


その昔、Ian Wilmut がドリーを作った時は、「へえー、メチレーションとかって取り除けば、体細胞でも万能性を回復するんだ!」とか感じた。ので、今回もその延長線上で、「免疫にも幹細胞的なところがあるんだなあ」という風に適当に納得していたのだが、、、


結局、彼女はまったくのペテンで、Vacantiが長年望んでいた、「体細胞のリセットによるクローニングは可能である」という主張の裏付けた、とでっち上げたのだ。そして、Vacantiを含めて、理研に至るまで、周囲の研究者たちが彼女のでっち上げを信じてしまっていたのだ。


科学界は基本的に相手のいうことを一応信じて、再現実験をしたり、メタ分析をしたりする。今回のように、完全にない話を報告するというのは、イレギュラーに過ぎて想定の範囲を超えていた。僕自身がこの10年ほど、テストステロンやコルチゾールの検査キットを使って実験をしてみると、意外なほどに、なぜか結果が検出不能であったり、あるいは安定しないことが多いことに驚いてきたし、苦労もしてきた。


唾液試料の温度管理もあるし、保管時間の問題もある、検出時のピペッティングのミスもあれば、検出器の不調もある。本当に、失敗する原因なんて、なんでもアリなのだ。細胞の万能性の回復が可能であっても、それが万に一つのマグレである可能性はだいぶ高いんじゃないかと、知らないうちに好意的に解釈してきていた。


フシギなのは、こうした発表をして、Natureに載ったからといっても、結局は再現可能性がなければ、自分の立場もなくなっていくことは明らかなのに、ナゼ ナゼ??


自分のノーテンキにもちょっと呆れたが、同時に人の行動のナゾも尽きないものだ。



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