kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

Flynn Effect

ちょっとした要請があって、日本の戦前の知能研究を調べている。ついでに、例えば、田中ビネー式知能検査で有名な、田中寛一博士の『アジア諸民族の知能』(1947)なんかも、読んだりすると、ちょっと腑に落ちない、一貫した傾向がある。Flynn効果だ。


どの研究を見ても、どの年齢を見ても、大都市の学童>町の学童>田舎の学童、という傾向が見られ、それは1標準偏差にも及んでいることが、普通なのだ。これは、確かにフシギ極まりないが、報告はあまりに一貫している。


同じように、田中寛一さんは戦前のアジア各地で、日本人、韓国人、中国人に知能検査をして、日本人が、他の民族よりも一貫して優れていることを報告している。


これは現代のPISAやPERLSの結果とは一致していない。21世紀以降、PISAでは一貫して韓国のほうが日本よりも成績が優れているし、その他のすべての国際テストでも同じだ。また国内においても、、ここ10年の結果を見ると、秋田県福井県は、常に東京や大阪よりも、文科省の学力達成度テストで優れている。


おそらく、この問題は都市の学童と田舎の学童の問題と同じで、日本人のほうが早くに文明開化を成し遂げ、その西洋的、論理的な思考様式がより早くから浸透していったからだと考えるほかない。また、同時に栄養状態や衛生状態も、都市のほうが昔ははるかに良かったのだろう、ということは言えるだろう。


それにしても、現代社会では都会に生まれたほうが、田舎よりも有利だとは、到底に思われないのだが、、、、それはやっぱり、テレビやネットなどの環境が同質性を担保するようになったからなのだろうなぁ  と痛感されたのでした。





_