- 作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/05/25
- メディア: 単行本
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ということで、先日のpostでは、「宗教は、相互の協力を高め、チートを減らすので、社会的に望ましいのではないか」という、ある種の通説について書きました。
しかし、僕はこの説明には完全には納得していません。それは、例えば、Garett Jones などの研究例を見ると、高いIQの被験者は、囚人のジレンマでは相手を裏切らない、あるいは信じる戦略をとる確率が高いからです。これは、大学間のSAT平均点数を比べてみてそうだし、Brown大学の学生内部での比較でも明らかです。
http://mason.gmu.edu/~gjonesb/iqcoop1.pdf
同時に、宗教的であるヒトは、高いIQではない傾向があります。ここで本性である侮蔑をあらわにしますが、僕にはテレビに出てくる霊能者たちは、その全員がトンデモないペテン野郎だとしか思えないし、ゲーム状況でも信じることのできそうにない奴らだと、心の底から思っています バク
さて全体として、証拠を集めると、社会内で宗教的な人が、特に信頼出来る人だというわけではなさそうです。僕はそうした研究があるかどうかを知りませんが、国際比較でも、知的な国民ほど無神論者が増えるという事実はありますが、知的な国民ほど犯罪も少ないのです。
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0160289608001013
というわけで、宗教=協力、仮説は、個体レベル、集団レベルのどちらでも、当てはまっていないように思われるのです。というわけで、協力の必要性→宗教、というのは、ロジカルにはオカシイとは思いませんが、状況証拠からすると、どうも?? なわけです。
これは難しい!! おそらく、どう考えても、重要な心理、経済、社会、学的な研究であり得ます。
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