今日は友人から論文を薦めてもらったので、読んでみた。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23593038
内容はとても興味深いものだった。
身長の高い人は頭がいい傾向があることは昔から知られていた。相関係数はたいだい0.1−0.2ほど。で、なんでこれが生じるのか?と言う理由については、3つの節が合った。
1, そもそも何らかの遺伝子が身長を高くすると同時に、アタマも良くしている: pleiotropic genes hypothesis
2, そうではなくて、アタマの良い男性や女性は、背の高い男性と結婚しているのだ、だから、これらの2つの傾向が重なるのだ: assortative mating hypothesis
3, そうではなくて、いい環境(栄養状態など)にいる奴が背が高くなり、アタマも良くなるのだ: environment hypothesis
ということで、これを大規模な双子、兄弟家族調査によって分析したところ、1と2は両方が同じ程度に重要であることがわかったが、3はまったく無関係だった。著者らは、もちろんこれは現代フィンランド社会という比較的豊かな環境にあるからであり、もっと貧しい社会では、3も重要だっただろう、といっている。
また、1の多面発現遺伝子は、おそらく遺伝負荷の量であり、だれでもが数十はもっている、遺伝負荷が少ないほど、身長もIQも高くなるのだと言っている。
まあ、とにかくこれまで理論的にしか分析されてこなかったことに関して、新しい事実を教えてくれる興味深い論文だった。
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