kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

ハゲも病原性では???

前のポストで、「なんでも進化の産物、つまりESS(安定的ナッシュ)であると考えるのはやめて、むしろ、これまでに知られていない感染病を疑うべきものは多い」という話を書いた。


個体に繁殖の不利益を課すような変化は、それを補うだけの利益がなければ、進化的な時間から見ると、あっという間に消えるはずだ。残るのは、突然変異が集団に常に発生することから生じる、安定的な変異の発生頻度と、それを取り除く速度を決める適応度の低下による、安定的な頻度となる。


例えば、ディシェンヌ型筋ジストロフィーでは、エクソンは79もあるので、遺伝子の変異がどこかで起こる確率が高くなり、10kに一人ほども生じている。非常に重篤な病気であり、適応度が0となってしまうが、変異のたびに遺伝子プールからなくなるとしても、これが安定的な発生頻度となるわけだ。


と、考えてくると、ハゲもそうなんじゃないか、と思えてくる。


これまで、わざわざ「ハゲは、ゴリラのシルバーバックと同じで、より歳(経験値)を上に見せる戦略だ」と言われてきた。少なくとも、マトモな研究者の多くがこの立場をとってきたと思う。少なくとも遺伝的浮動よりはありそうだ。


しかし、女性におけるハゲの圧倒的な不人気を考えると、ハゲという現象はよほど男性間の交渉に有利にならなければ、釣り合いが取れるとは到底思われない。だが、現実に男性の間で「あいつはハゲているから、ハゲてない奴よりも手強い」などという常識はないようだし、むしろバカにするほうが多いほどに思われる。


今調べてみると、確かにハゲた被験者は「more matured」であると評価されるという研究がある。けれども、少なくとも、若さを重視する現代社会では、その有利さが不利益を補うほどに十分かどうかは疑わしい(あるいは過去においては、そうだったかも??)。




無理矢理にナッシュに当てはめようとするよりも、ハゲもある種の(おそらくは複数の)病原菌の活動の結果であり、その耐性には大きな遺伝的な差があるために、0.8の遺伝率(以下の論文参照)となってあらわれている、と考えるほうが、自然なのかもしれない オワリ


http://www.demogr.mpg.de/publications%5Cfiles%5C2960_1202384787_1_twin9-6.pdf