昨日のマレーのComing Apartの紹介では、書けなかったが、この邦訳、「超 格差社会」というのも、何か凡庸でセンスのないネーミングだ。わかりやすいといえば、そのとおりなのだろうが、、、
さて、ボクが興味深いと思ったのは、下層階級に当てはまる特徴として「クイズ番組を見る」「ディズニーランドに行く」「連続テレビドラマを見る」「オペラ・ウィンフリーのトークショーを見る」というように、具体的な活動が記されているところ。
これは日本でも同じで、おそらく夜のバラエティ番組、クイズ番組に大きく当てはまっている。おそらくインテリであるほどにテレビの視聴時間は少なくなり、その少ない時間の高い割合をNHKに合わせているだろうし、それはアメリカではPBS、イギリスではBBCになる。
つまりはカルチャーとして大分異なってきているということ。当たり前といえば、当たり前なのだが、文化の多様性がマレーが基準年とする1960年に比べて、ケタ違いに大きくなっているので、結果として、選べる対象が異なってくるのだ。
長嶋茂雄のような国民的なスターは今はいないし、共通の文化的な了解は、この半世紀の間に、どの社会でも大きく瓦解してきているだろう。この物質的に豊かな世界で、共通の価値観などを維持することはできそうにもないし、正直なところ、今更それが望ましいとも思われない。
そこでボクは、このような格差を自然なものとして容認、肯定して、むしろ無政府のほうを自然なのだと考えるのであります。で、近く評判の良い無政府本、「Two Cheers for Anarchism」を取り上げたい とか思っております ハイ。
Two Cheers for Anarchism: Six Easy Pieces on Autonomy, Dignity, and Meaningful Work and Play
- 作者: James C. Scott
- 出版社/メーカー: Princeton Univ Pr
- 発売日: 2012/09/24
- メディア: ハードカバー
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