kurakenyaのつれづれ日記

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Robot は失業を生む??

大学時代だった、何かの雑誌を読んでいたら、ウィーナープロセスの考案者であるMITの天才工学者ノーバート・ウィーナーが、「人間労働が機械によって加納になれば、大規模な失業が発生するだろう」という発言をしていたのを思い出した。で、今調べてみると、確かにそういっている。


http://libcom.org/history/father-cybernetics-norbert-wieners-letter-uaw-president-walter-reuther


今日そのことを思い出したのだが、実際に読んだ記事はこっち。


http://www.gizmodo.jp/2012/12/post_11209.html


どうして、こうした天才的な工学者たちの多くが一般均衡理論を直感的に理解できないんだろう?? ボクはこのことが大学時代からフシギでしかたがない。


リドリーの「繁栄」にも強調されていることだが、そもそも蒸気機関内燃機関は、それ以前の人間、馬や牛の作り出す物理力に取って代わった。その過程で失業は生じただろう、もちろん。単純な作業、例えば鉱山の水脈から溢れ出る水野汲出しは、最初に蒸気機関によって取って代わられたのだ。


ついで、20世紀に入ると馬車も要らなくなった。自動車と舗装道路が普及したため、馬を世話している人たちは間違いなく失業したはずだ。

で、人類は失業問題に悩み、より貧しくなっているのか?


バカらしい話だ。ある作業がロボットに取って代わられれば、ロボットをつくったり、メンテしたりする人たちの賃金が上がる。取って代わられる労働者たちの賃金は下がるが、そうした場合、次の若者たちはもっと創造的でロボットのできない作業につくことになる。結果として、当然に人類全体の生産性は上がる。

自分の立場に引き直すなら、今大学がstanford.edu や mit.edu の通信教育によって取って代わられてしまえばボクは失業する。しかしゴミ収集で働けば(僕個人は貧しくなるだろうが)社会全体にとってはより豊かになるだろう。



仮に産業革命以前の社会が完全雇用だったからといって、そっちのほうが現代よりも豊かだったなどという人はいない。長期的な視点からは機械化の利益は明らかなのに、短期的には失業の大問題が生じるだろう、とか言うのはなぜなのか?? それも人類の中でももっとも優秀な人達が??


社会的な調整能力=インセンティブの問題は、工学の天才たちからは過小評価されてきたのか、あるいは彼らの自然科学への知識の驕りが、経済的な洞察を過小評価してきたということなのだろう。


薬剤の調合やスポーツの速報記事がロボットによってされれば、もっと生産的な仕事、例えば薬剤の開発、あるいはスポーツマンの伝記をかけるようになって、生活は現在よりもさらに改善されるだろう。


(ロボットが人間のジャマをし始めるのは、ノイマンが言うように、「自己増殖をし始めた時」だけだ。その時、自己増殖有機体である人間とロボットは互いの増殖に必要となる資源の取り合いをはじめるはずだから。)


ともかくも、ボクは「この政策で、XX 万の雇用が創出された」といった新聞記事が理解できたことがないし、今もフシギでならない。人間の直感的な知的能力(システム1)の限界なのだろう、、、、ザンネン