kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

機能主義者の悲劇

エルメスのサック・ア・デペッシュという定番のブリーフケースがある。
これは5000ユーロぐらいだから、約80万ほどか。
鞄一つにこの値段を出すのは、よほどの好きものだろうが、
なかなかに使い勝手はいいようであり、デザインも小生好みだ。


ところで、中国のあるカバン会社がこの偽物を作ったとしよう。
いかなる基準を適用するかにもよるが、
仮に刻印を含めて「すべて」の
基準において本物を上回る商品であったとしてみよう。


これは本物なのか?
ある人は、所詮はエルメスが作ったのではないから偽物だというだろう。
別の合理主義者は、いや、すでにこれは本物を超えているから偽物とはいえないというかもしれない。


シンボルが重要な場合、機能を重視する合理主義者は
結局のところ、苦しい立場に立たざるを得ないということか。
われわれの素朴な機能主義ともまた矛盾してしまう。
はてさて、読者の皆さんも考えてみていただきたい。