kurakenyaのつれづれ日記

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中進国のワナ

こんにちは。

 

マレーシアにいるとマレー語がベースとはいっても、英語は当然、中国語などが表記されていることが多い。中華系が3割もいることもあるだろうが、英語が多いのはイギリスの植民地だったからだし、日本語を見かけるのは戦後の「Look East」政策が中国ではなくて、日本の発展のことだったからだろう。

 

マレー語は昔はアラビア文字で書かれていたが、イギリスの当地からはローマ字で書かれるようになった。それで外国的なものがひじょうに多く混在しているクアラルンプールのような街ができあがったというわけだ。

 

インド系、中国系、ヨーロッパ系などがクアラルンプールでは同じ程度に存在するほどなので、外国人にとってはとても過ごしやすい街になっている。

 

さて、開発経済学には「中進国の罠」という言葉があって、それは「マレーシアなどの1万ドル程度のGDPの国がなかなか3万ドルという先進国水準には達するのが難しい」という現実を表現したものだ。いろいろな説明があるが、要は「先進国になるには、何らかの先端産業が必要だ」ということ。

 

その例外としての成功例としては、台湾なら半導体、韓国なら自動車・半導体、ショービスというような、基幹産業がある。そうした圧倒的な競争力のある企業や産業が必要だ。マレーシアにはそれがない。30年前にマレーシアは「Vision 2020」というのを掲げて、2020年までに先進国の仲間入りをするという政策目標を掲げていた。台湾や韓国とは違って、うまく行かなかったということになる。

 

2023年現在の中国には、電池とEVという圧倒的な産業が生まれつつある。おそらくこれは今後の20年は成長し続けるだろう。マレーシアなどの国は、世界の人々にどんな素晴らしい商品を提供できるようになるのか? ぜひとも頑張ってもらいたい。

 

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