こんにちは。
さて、昨日は人口予測が出たので、それをもとにして医療費の予測をしてみた。
まずは2021年の医療費を推定する。 2019年の年齢階級別医療費支出を入力して、2021年の人口から医療費を予測すると、44兆1290億円。実際の2021年医療費は、1-10月支出統計を延長すると、44兆7450兆円。
医療は毎年高度化し、報酬も引き上げられてインフレする(1.79%、理由は以下参照)ので、ほとんど誤差ははない。
さて(ありえないことだけど)2019年のまま、医療の高度化が進まず、報酬のインフレもまったくないのだったら、
2030年 44兆6275億円
2040年 42兆180億円
すでに高齢者数の増加がほとんど終わったから、これから2040年にかけての国民医療費はむしろ減ることになる。
(ちなみに、同じような推計は法政大学の小黒さんによっても報告されている。
https://cigs.canon/article/20220413_6710.html)
とはいえ、こんな虫のいい話が現実政治としてはあるはずないので、一人当たり1.79%ずつ増加する(理由は下参照)という、マトモな仮定をおくと、
2030年 53兆7605億円
2040年 60兆9626億円
こんなもんになるんだろうな。。。
ということで、医療の高度化と点数あたりの報酬が今後はどう変化するかによるけど、まあこのまま行けば、60兆円を越えるのは間違いない。グラフも作りました。
_
以下計算方法。
1.64%の医療費増加の推定は、コロナを含んでるけど、適当だが、2010年から2021(推計値)年までの医療費の増加を見る。
2021 44兆7450億円
2020 42兆2000億円 3.2%減少
2019 44兆3,895億円 2.3%増加
2018 43兆3,949億円 0.8%増加
2017 43兆710億円 2.2%増加
2016 42兆1381億円 0.5%減少
2015 42兆3644億円 3.8%増加
2014 40兆8071億円 1.9%増加
2013 40兆610億円 2.2%増加
2012 39兆2,117 億円 1.6%増加
2011 38兆5850億円 3.1%増加
2010 37 兆 4,202 億円
コロナによる医療費の減少分を完全に受け止めたとしても、この11年間に医療は毎年平均して1.639%ずつ増加している。これを一人当たり医療費にすると、29万2200 円から35万5000円で、1.788%ずつの増加。
日本医師会の政治力がこれから減るとも思えないので、本当は今後も2%くらい伸びると考えるのが妥当だと思うなあ。
以上
_