こんにちは。
驚くことではないと思うが、ボクはあまり自己啓発本を読まない。大体の本は読む価値がなくて、そもそも時間の無駄になるからだ。しかし、ちょっとした書評を読んで、今回は「Die with Zero! 」を読んでみた。このタイトルはつまり、「全部使って死ね」みたいな感じ。
この本のテーマはいくつかあって、
- 死ぬ時までに財産を有意義に使い切って死ぬことを考えてみる、
- 子供に遺産を残すつもりがあるなら、むしろ生前贈与にして子供がアラサーのときに与えるべき。この時に、もらった子供にとっては、もっとも大きな価値があるからだ、
- 人生で最も大切なものは思い出であり、金ではない。人生の良い思い出を作るためには、各年齢域での金と時間、エネルギーなどのトレードオフをよく考えるべき、
- 実際には45-60歳から、4%程度の財産を切り崩し始めるのが良い。金融資産は利子を生み続けるし、高齢になると体が衰えるために金を使うこともできなくなる。そのため、このやり方で25年ではなくて、その40年ほどは生活費に困らない、
というようなものになるだろうか。つまり、人生の金融問題の最適化という話だといえば良いのだろう。いろいろととても考えさせられたし、勉強になった。なお、間違いなくアメリカ人以上に、多くの日本人が貯めるだけ貯めて、使わずに子供に財産を残しているはずだ。
特に共感できるのは、3の「人生のもっとも有意義なものは、良い経験と、その思い出である」というもので、これは本当に間違いないと思う。もう一つは、
- なぜ老後と最終期の医療費が心配になるのかといえば、終末期医療に金をかけすぎるからだ。超高額の治療を受けても、点滴・酸素吸入で生きれる期間は数日しか伸びない。それなら、むしろそうした高額医療を放棄して潔く死ぬことにすれば、無用な老後資金の心配はなくなる、
というテーマ。おそらく現代人は、終末期医療に金をかけすぎなのだ。むしろ、緩和医療だけを望んだほうが、人間らしい最後を生きられる。そういう意味で、老年期の医療に備えての貯蓄というのは心配のしすぎである。実は、今のように病人を無理に生かさなければ、個人の老後資金の問題も、国家的な医療・保険問題も本当はあんまり深刻なものではないのかもしれない。
_
この本は読む価値があると思うので、オススメします。が、時間と金がない人は、「本要約チャンネル」に、すばらしい要約があったので、下の動画を見てください。
_