Money, Bank Credit, and Economic Cycles (LvMI) (English Edition)
- 作者: Jesus Huerta de Soto
- 出版社/メーカー: Ludwig von Mises Institute
- 発売日: 2012/04/03
- メディア: Kindle版
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皆さん こんにちは.
先日,小生はデ・ソトの「通貨,銀行信用,経済循環」翻訳の話をしましょうという企画で,かつてLJPで一緒にブログを書いていた人たちと飲み会をしました.
で,Type A さん曰く 「で,なんで蔵さんがオーストリア翻訳することになったんですか?」と聞いてきたので,僕は「いやぁー,春秋社さんから話が来たのは,千葉商大の吉田先生のところに編集の人が行って,「「誰か翻訳できるような人はいませんか?」」と聞いて,それで吉田先生の紹介で僕に話が回ってきたんですよ」と答えました.
ナルホド,type Aさんの感じた疑問は「クラのような数学重視の(↔ オーストリア学派は数学嫌い)やつが,なんでまたロスバード本流の著作の翻訳なんてしたのか?」という至極まっとうなものです.
でも翻って,僕は聞き返しました.「えっ,でも僕じゃない経済学者でオーストリア学派に興味がある(理解している)人なんて思い当たります??」 ということで,僕は確かに新古典派的な思考を主な分析ツールとしていることは事実ですが,オーストリア的な資本理論や経済循環論なんかは,良いことを言っていると思ってます.(願うらくは,誰か,多分ロジャー・ギャリソンあたりか?? が主流派経済学の数学モデルと接合することを).
なんていうか,昔の日本人と違って,今の学者の多くは主流派のモデル分析と数学を所与のものとして,どうやって数学力を見せるか=それによって一流のジャーナルに載せるか,ということ以外は興味がないように感じられるのですが,,,
僕はオーストリア学派を研究している経済学者は尾近先生しか知らないので,,,でも彼も理論家ではなくて,経済学説を主にやっているように思います,,,つまり,日本人でミーゼスやハイエクの経済学に興味のある人はほとんど学者にはいないと思うのです.
これは残念なことです.今のルーカスモデル(やRBC)を超えるモデルには,ぜひともゲーム理論的な銀行の信用拡大が組み込まれてほしいものです.
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