kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

自分で食べられなくなったら

昨日は書き忘れたことを,今日書くことにします.


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よく言われることですが,北欧,あるいはヨーロッパ一般に「寝たきり老人」というのは非常に少ない.それは,自分の意志で食べることができないような個人には,胃ろうや人工呼吸などをしないということを意味しています.


英語の哲学,政治哲学にautonomyという言葉がありますが,これはよく「自律性」と訳されています.ここには「自律的でなくなって自分の意志で活動できなくなった人間は,人間としてはすでに生きていない」と考えるヨーロッパ人と,「とりあえず呼吸をしていれば,生きている」と考える日本人の違いがあるのだろうと思います.


しかし,多くの医療経済学者が指摘するように,このような「機械で生かしておくことができる」人は,よほどの金銭負担が可能な人,または家族です.多くの人は,むしろそうなる前に痛み止め(モルヒネなど)だけで生涯を閉じることを選ぶでしょう.


で,それが何の問題なのか?? 僕の父は,すでに酸素供給機なしには生きることもできないし,それがあってももう(かつてのような)普通の人間的な会話はできません.そうしたことが望ましいのか?? 


もちろん,突然倒れて,意思表明の時間がなかった人もいるので一概には言えませんが,十分な意志のある人には「自分で食べることができなくなったら,胃ろうなどはやめる」というのは自然なことのように思います.


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結局のところ,誰にとっても死はこわいものです.だからこそ主体的に選ぶ権利が養護されるべきなのです!!


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