kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

人類は都市にもっと移住すべき

都市は人類最高の発明である

都市は人類最高の発明である

著者のグリーサーはハーヴァードの経済学者である。


あまりに多くの歴史的な逸話がテンコモリで、著者の博識ぶりは伺えるものの、かえって、やや支離滅裂な感じが残る。そうした中でも、ボクの視点から、興味深く納得できたのは、以下の事実だ。


1.ここ30年の都市住民の所得の増加は著しい。特に、大学卒業社の多い都市は、大きく発展している。知的な活動の優位性がますます高まっていて、人びとは稠密に住むことで、よりアイデアを生み出し、交換し、洗練させているためだろう。


2.アメリカの東西海岸はとても都市化が進んでいて、住民は比較的に資源節約的な生活をしている。ニューヨークであれば、クルマに乗らないのが普通だし、カリフォルニアでは、冷房が要らないし、暖房もそれほどに必要ないからだ。


ところが、こうした都市では景観規制、開発規制が広範に行われているため、結局アメリカ人はヒューストンやダラスなどのサンベルトの都市をゼロから開発し、巨大なスプロール郊外住宅を作り出しているのが現状だ。


テキサスでは夏の強力冷房は不可欠だし、人びとは完全冷房のモールに集うために、巨大なSUVに乗って、通勤にもショッピングにも長距離を移動している。


これは何を意味しているのか?


Think Globally, Act Locally! のようなスローガンは、つまりは東西海岸で良好な自然環境を楽しんでいる人が、他のアメリカ人が来れないようにして、結局は地球の不可を高めているのだ。フード・マイレージと同じで、まったく論理的に破綻した道徳的な態度だ。


テキサスの住宅は建設費の1.2倍で売られているが、シリコンヴァレーではこれが3倍をはるかに超えている。複雑な建築規制で、新築住宅が供給されていないため、高所得層しか移住できなくなっているのだ。


カリフォルニアは、稠密に住めば、世界でもっとも環境負荷が少なくなり得る場所だ。けれども、そこに住む住民、環境派は、既得権益者として、自分の近くが混雑するのが嫌で、開発を規制する。これはNIMBY(Not In My Back Yard)と呼ばれる。


まったく政治活動の悪性腫瘍のような性質が再確認される。制限されない自由な私有財産制度が、やはりもっとも望ましいのだ!




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