kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

産業革命はなぜイギリスで?

西洋を支えた4つ目のキラーアプリは、「消費」と銘打たれている。無限に消費したいという需要を支えたのは、サプライサイドの経済の成長であり、つまりは産業革命だった。


産業革命は、最初に紡績機、織機の開発、改良だった。その後、石炭による蒸気機関の改良、機関車の発明などへとつづく。アメリカ人、シンガーによるミシンの発明は、さらなる医療の低廉化をもたらしたというのも、通常の世界史の教科書ではまったく無視されているが、やはり重要だったのだろう。


こうした産業革命の力は、日本人は維新以前に理解したのだろうが、驚くべきなのは、19世紀中葉の中国や韓国には、その力の偉大さが完全には理解できなかった官僚が「すくなからず存在した」という事実!


それはさておき、これらの産業革命の原動力となった機械の発明と利用が、ニュートン力学とも、フランス・ドイツを中心とする細菌医学の発展ともまったく独立したものであっった。これには、昔からオドロキ続けている。


ファーガソンが指摘するのは、イギリスでの産業革命は、当時のロンドンの労賃がミラノの2倍、北京の6倍もあったこと、また石炭が豊富だったこと。つまりは機械と石炭を利用するのが、経済的にもっとも合理的であったのが、イギリスだったということになる。


こうした産業革命の説明は、たしかクラークによる「10万年の世界経済史」でも指摘されていたようにおもうが、、、、


ある程度人口が稠密な場所で、労働賃金が高いというのであれば、イギリスの他にも数多くの場所があてはまるように思われてしまう。


経験主義的な実験を重視する精神性というのは、はたしてまったく関係していないのだろうか??カントやヘーゲルなどの、現代にもフランスで、よく見られるような大陸伝統の奇妙な理性偏重の哲学とは、ほんとうに無関係なのだろうか??


ボクはこうした点について、相変わらず大いに疑問に感じている。