kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

原発やめるなら、どの技術が?

原発と次世代エネルギーの未来が分かる本」というのをもらったので、読んでみた。

本書は、もともと次世代エネルギーについての解説書であったものを、福島原発の事故を受けて、原発問題を解説するとともに、次世代の多様なエネルギーを説明するというムックに編集したものだ。多くの潜在的に有望な技術が総花的に、かつコンパクトにまとまって説明されている。

今後は日本での原発による発電が政治的にむずかしいと考えるのであれば,本書に解説されているような、 LNGや石炭、石油、太陽光発電、太陽熱発電、地熱発電風力発電、海水温度差発電、などなど、多様な発電技術に頼ることになる。

しかし、LNGや石油火力発電は安価だが、その他の方式はすべて原子力に比べて、現時点で非常に高くつくという欠点がある。本書は多くの代替エネルギーについてコンパクトに解説し、その経済面についても指摘しているものの、電力やガスの地域独占の問題にまで触れていないのは残念だ。

多くの人は、自分のお気に入りのエネルギーの増産のために、国家による電力の売買電価格の操作を求める。ちょうど、ドイツが太陽光発電風力発電を高価に買い取ることで、世界最大の太陽光発電国になったように。

しかし、もしCO2の理由から従来型の発電を減らそうとするとしても、私はそういった直接的な補助や規制よりも、炭素排出税を課して、市場原理をもっと活用するべきだという、おきまりの経済学者の意見を強調したい。

どんな技術がどういった発展をして、どのような隠れた利点や欠点があるのかを国家が知るのは不可能だ。それよりも、個別の経済主体に(炭素税を化した上で)判断させたほうが、常に効率的な方法を探すインセンティブも生まれるし、実際に技術も進むだろう。例えば、太陽熱発電のほうが太陽光発電よりもはるかに効率が優れていることを知っている人が、それほどいるのだろうか??


どう考えても、原発推進派の東電社員グループが風力発電を進めたいグループを邪魔しないとは思われない。まずは、送電、発電の分離、完全自由化からスタートするべきだろう。