kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

実験てなかなか難しいなー

6月、7月と、僕の属する研究グループではほとんどすべての研究時間をかけて、超簡単な実験をしてきた。テストステロンがリスク選好と正の相関をもっているだろう、という単純な仮説の検証だ。


生物学的には男性であるという存在自体が賭け戦略なので、この仮説はほとんど検証するまでもなく自明だと感じていた。


しかし、先行研究を見ると、どうやらあるようだ、示唆される、というものが多い。で、僕らも2年前にも20人くらいでやってみたが、あんまりはっきりしていなかったので、今回は300人近くを3週間に分けて、リスク評価を質問して、唾液からテストステロンを測ってみた。


すぐに出るだろう、なんてナメてたが、すっきりとした関係が出なかったのには、本当にがっかりした。そこで、もう少し違った仮説として、「あるいは既知の確率を含むリスクと、確率がまったくわからないUncertaintyでは違っていて、あるいはテストステロンは後者にのみ効くのかも??」とか仲間内で議論していた。その最中に、先日オランダの臨床医師グループGoudriaan et al
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20471178
という論文が出たことがわかった。それによると、どうやら本当にテストステロンは確率がよくわからない場合に(のみ、あるいは主に)関係しているらしい。


なるほど、とも感じたが、しかしほんとかな、と疑問にも思う。こんな簡単なことでも白黒はっきりしないなんて、実験は難しいもんだ、ハァー