kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

虐殺行為の大成功例

割とよく知られていることだが、
オックスフォード大学の研究チームの結論からすると、
チンギス・ハンの男性の子孫はアジア全域に1600万人いるという。


チームの推定では、これらの男性の持つ性染色体であるY遺伝子は、
役1000年ほど前にモンゴルに存在していた可能性が高い。


子どもが4人いるとすれば、2人は男である。
一世代を25年とすると、100年で4世代=16倍、
250年で1000倍、500年で100万倍。
だから、1600万人は600年の間、他人よりも2倍程度の適応度があったことになる。


まあ、1200年に帝国があったとしても、1800年には跡形もなかったわけだから、
おそらく600年ではなくて、300年程度のうちに子孫が急速に増えたはずだろう。
とすれば、平均して8人にもなる子どもがいたということになる。
つまり、4,500年間、その地域の大多数の女性が
チンギスの子孫の男の妻であったというほどだろうか。


虐殺や戦争というのは、20世紀になって、
ラッセルをはじめ、多くの人道主義的な批判者を生んだが、
それでも多くの好戦的な人々がいることも間違いない。
チンギス・ハンのように大成功をした男は稀かもしれないが、
つまるところ、大なり小なり、戦争を肯定するようになっているのは
子どもの正義のヒーローごっこから始まる男のサガなのだろう。


政治活動の正当性への信頼やあるいは外国人嫌いは、
人間の歴史を見れば当たり前で、
なるほど克服するのは難しいのが当然なわけである。