kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

東洋人は国人・白人ほどマッチョになれない

小生は人の批判はあまり意味がないので好きではないのだが、
ちょっと別の友人(彼はたまたま一卵性双生児の父)との会話で
思い出したことを少しばかり、ここに書いてみようと思う。


ランスバーグの『fairplayの経済学』の最終章に
「黒人と白人が遺伝的に異なっているなら、生涯を通じて
環境要因が蓄積するために、その差は小さくなるはずだが、
実際には大きくなっているのは、環境のせい(差別があるから)だ」
という記述があり、彼はこの論理から遺伝性を否定する。


これは、心理学の学術論文を読まないという限りにおいては、
実にもっともらしい主張なのだが、
驚いたことにRobert Plominその他の双子研究によれば、
年をとればとるほど、別別に育った一卵性双生児の知能は似てくるのだ。
40歳を過ぎる頃には、0.8の相関係数があると報告されているが、
これは同一人物の複数回の知能検査とほとんど全く同じだ。


これは何を意味しているのか?
双子研究で有名な社会学者であるSandra Scarrが
その論文で述べているように、
人間は大人になるにつれて、niche buildingを行うのだ。
つまり、自分の居心地のいい環境を作り、そこに安住する。
親が強要できるのは、一緒に生きる18歳までで、それ以降は
急速に親の影響というのは減衰して、30になることには0になるということなのだ。


これはちなみに小生の人生でも、ぴったりとあてはまっている。
親の強制は、自我の発達する思春期以降には全く影響を与えられない。
自分の気に入った環境を作り、それによって知性、運動能力、
その他の能力が限定される。


人間の文化は多様だから、自分の好きなように生きることができる。
音楽を聴かないのも、聞くのも、つまりは自分の資質に依存するのだろう。
同じように、本を読むのも読まないのも、あるは映画を見るのも見ないのも。


今日は妻と娘が「ポニョ」を見に行ったが、
ポニョに支払った総」金額は3000円を超える。
小生にはそれだけ支払う気力が湧かないから、
世の中の芸術は小生とは違う人々によってサポートされているのだと
いうことがよくわかる一日であった。


小生はあまり美食にもこだわらないし、
実際味もわからないので、多くの時間や金銭を費やさない。
文学もわからないので、読まない。
なるほど、高校までと違って、自分の好きな論文ばかり読んでいるのだろう。
それが、小生の「生きる道」だということなのかな。


「遺伝的な」という言葉は、無理やりやらせても、という概念よりも
自由社会である現代では、
むしろ自然に惹かれて、そういう生活を送る、ということの説明に向いているのだろう。