子どもができてから考えるようになったのは、
彼らの物質的な福利のことだ。
常識的でつまらないが、彼らが望む教育機会を与えてやりたい。
そこで、自分のことも考えてfinancial independenceということを考えた。
これは、つまり働かなくても資産とその利子でやっていけるかということだ。
「金持ちと父さん」の話はおもしろいが、ふと疑問を感じた。
果たしてすべての人間が経済的独立をすることが可能なのか?
経済的独立を達成した人間が働かなくなるというのなら、
それは不可能だ。
なぜなら、誰かが財やサービスを供給する必要があるからだ。
とすれば、この場合、人々が貯蓄に励む過程において、
徐々に株や土地などの資産の価値が財・サービスに比べて低下してゆくため、
資産の利子で生産物のすべてを買うことはできなくなるだろう。
たとえば、日本の金融資産は1500兆円というが、
これが10%のリターンであったとしても、150兆円であり、
当然に500兆円のGDPにはなっていない。
土地・建物を考えても100兆円にはいかないだろう。
まあ、実際には日本の金融資産の多くは
アメリカ国債などの海外の資産であるのだが。
しかし、すべての人々が生産を続けながら、「安心」をえるために、
貯蓄を続けるというのならどうだろうか?
たとえば、ビル・ゲイツやマイケル・デルは資産利子だけで生活できるが
実際にさらに(生きがいのためにだろう)働いてもいる。
とすれば、これは可能かもしれないが、
こういう人物たちが人間の典型だとも思えない。
というわけで、おそらく、人は貯蓄が十分にあれば、働かなくなり、
相対的に財の価格は上がり、貯蓄をすべての人間が
(ゲイツのように)最低必要量の1万倍以上も保持することはないように思われる。
たとえば、一人1億なら、日本人は1京円の貯蓄が必要であるが、
これはありえないようだろう。どこかその前に使ってしまうというのが、
通常の人間の時間選好だと感じる。
自分としては、せいぜい生活保護を受けないで生きれればいいかな、
という程度で満足しなければ と思うのである。
だれか 間違いその他のを指摘してください。