Lucid 2
Lucidは1000馬力だとか、1充電で800キロ走るとか、900ボルトの電動システムといった要素(だけ)がスゴイのではない。つまりは、そうした全体としてのスーパーな存在が、(スーパーカー時代の)ポルシェやフェラーリと同じような「スゴイ商品」になるのだ。
僕の好きなモータージャーナリストに池田直渡さんという人がいて、この人の意見では、トヨタの電動車への技術は世界でも最高であり、いまでも最高のEVが作れるが、それをしていないだけだと言う。まだ、その時期が熟していなから、あえてトヨタは、EVをつくっていないのだと。
これはRAV4 PHVなんかを見ると、技術的にはその通りなのだろうと思う。
でも、それは、少なくとも(レクサスのような高級車の)宣伝戦略としては、まったく間違っている!
例えば、(デザインの好き嫌いはともかく)トヨタの上級ブランドのLEXUSには、まったくMERCEDESやBMWに勝っている部分がない。そのラインナップを良く見てもらいたい。それはドイツ高級ブランドの単なる猿真似の粋を出ていない。
TESLAやLUCIDは完全にMERCEDESやBMWを振り切っている。完全に異なった未来像、価値観、世界観、高級車像を提出しているのだ。
テスラはアップルモデルを採用して、ディーラーなどを切り捨てて、直接にカスタマーにデリバーしている。明らかに、それが未来の自動車メーカーのあり方だ。間違いない。LUCIDももちろんそうしている。
直接に、熱狂的なカスタマーにメッセージを届け、商品を届ける。ディーラー網なんて、ものすごく効率が悪いディストリビューションチャンネルだろう。これからの高級車にとっては当たり前のことが、今の日本のメーカーにはできていない。こんなので良いのか?
もちろん、LUCIDがポルシェに匹敵するメーカーになるのかは、あと10年以上先を見る必要がある。だが、どう考えても、もしフェラーリやポルシェを超えるカーメーカーが出てくるなら、それはTesla, Lucid だろう。
GAFAの世界支配は、20年前に始まり、まだ10年ほどしか経っていない。クルマもそうなるように思われてしまう。
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