今日は授業をしたが、その途中で学生が
ソニーの独自規格好きの話をしてくれた。
これはつとに知られていて、
僕自身も20年以上前にはベータマックスで、
また最近はメモリースティックで大分ばかげた目に逢っている。
だがブルーレイは東芝規格に勝つようである。
こういう場合、メディアや評論家は総じて
「規格の分裂は消費者の利益に反しているため、
何としても避けなければ、全員が損をする」
というような論調を張る。
しかし、これは本当だろうか?
ベータは画質が良かったが、録画時間の関係で負けたといえよう。
メモリースティックとSDカードについても、
それなりに形状が異なっているため、
どちらがどういう利点を持つのかは市場に聞いてみる必要がある。
可能性としては、複数の規格が争った方が、
妥協のない技術的な進展があるため、
相互に妥協的な規格に相乗りするよりも、
企業努力は高まり、技術の進歩は速まるという可能性も高いのではないだろうか。
あるいはこれは、合議制による進歩よりも、
独自性を許し、市場に判断をゆだねるという風にも解釈できる。
これは厳密には実証するべき課題だが、検証は確かに難しいだろう。
とはいえ、この競争的な視点からみると、ソニーの独自規格好きも
それほど捨てたものではないということになる。
本当のところはどうなのか、謎は深まる。