こんにちは。
シンガーの主張の中で「種差別主義」というのがあります。これは他の人間の苦しみを避けようとするのと同じように、痛みを感じるウシやブタ、イヌやネコなどの痛みや苦しみも避けなければならないという考えです。
- 作者: ピーターシンガー,Peter Singer,戸田清
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2011/05/20
- メディア: 単行本
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おそらく これはボクを含めて多くの人がまったく実践できていないことでしょう。多分 日本人であれば、他の日本人が餓死・病死することを問題視して、何らかのアクションを実行することはありそうです。しかし、遠いアフリカのどこかで同じような状況が存在しても、同じエネルギーをかけて、同じことはしないだろうからです。
いやんや動物の痛みに至っては、正直なところ、ボクの人生で懇意になった日本人で、「動物の福祉のために 肉食をやめよう」といったのを、実は一度も聞いたことがありません。(ちなみにアメリカ人で出会った人には、かなりの頻度でそういう人がいたのは、むしろ ある種の驚きではあります。)
ベンサムがすでに女性の権利、さらには動物の痛みについて言及していますが、それを現代にさらに推し進めようというのがシンガーだと言えます。
それで この30年間 ボクはときどき考えます。19世紀に否定されていた女性の参政権が20世紀に実現したように、いつの日か、痛みを感じる動物の大量飼育がなくなることがあるのでしょうか??