こんにちは。
「2050年までに脱炭素する宣言」みたいなのが先進国や、それを追い抜きたい中国なんかの政治家の間で大流行だ。再生可能なエネルギーというなら、太陽光、風力、あるいは地熱発電、波力発電、潮力発電、さらには海流での発電なんかが考えられる。
ここでは、もっとも普及してきている太陽光と風力に話を絞ってみる。太陽光の発電はすでに砂漠地域では2円/kWhを大きく下回っているし、おそらくヨーロッパ北部の風力でも、すでに石炭火力発電よりも安く発電できるようになっている。
それでも、こうした発電コストだけで石炭火力などと比較するのは、あまり現実的ではない。
なぜなら、これらの再生可能エネルギーの供給は明らかにかなりの不安定さが伴うので、グリッドの運用には大規模な電池の設置が必要になるからだ。今の延長線上でリチウムイオンやでいくのか、あるいはナトリウム電池などを改良、マグネシウムやカリウム電池が実用化されるのか? どっちにしても、現在の設備と比較するとトンデモなく大きな容量の電池設備が必要になる。
この問題も、あるいはあと20年もすれば完全に解決しそうではある。すでに太陽光が安定しているカリフォルニアでの「発電+蓄電」の単価は5円/kWhを下回っていて、これは火力発電の10円/kWhよりも低い。
さて先進社会全体でそんなに大きな設備投資がこれから20年、30年のうちに完了するなら、そうした電池産業にはよほど巨額の、政府からの補助金や税制優遇、また民間からの投資がなされる必要がある。
個人的には意義に疑問が残るのはさておき、今は不可能に思えても、世界の政治家が全員で互いの存在感を競い合うなら、あと30年で脱炭素も可能なのだろう。今はEVのためにエネルギー密度を上げるということで全固体電池の話ばかり聞くけれど、長期的には大型蓄電池をどう安く作るかがもっと大きな話題になるのだろうか??
ゆっくりウォッチしたい。
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