kurakenyaのつれづれ日記

ヘタレ リバタリアン 進化心理学 経済学

ポイント集めないバカ!

続き。

 

たまには経済学者らしいことを。(これって前にも書いているけど、興味深いので繰り返し。)

 

ボクは昔持っていたTカードも、ジジイになってめんどくなったので、捨ててしまった。

 

telling.asahi.com

 

ポイント集めないバカ=ボクは、かなり損をしているという認識は当然に正しい。さて、この「損失」を分析するために以下の2つの事例を検討しよう。

 

1.ポイントを集めていないボクが、ローソンでTポイント分の10%を余計に払う

 

2.みかんを10個買ったが、時間がたってしまって1個が腐ったので捨てた

 

1と2はボクにとっては同じ10%の損失だから、社会的に見ても同じことのように感じるかもしれない。でも1の場合には、ボクは10%損をしたが、同じだけローソンの会社は得をしているから、ボクがローソンに寄付をしたのと同じだ。

 

2の場合には、みかんは腐ったので、ただのゴミになってしまった。ボクは10%損をして、誰も得をしない。つまり本当に資源が10%失われた。

 

ということで、社会全体では2のほうは純損失があるが、1の場合には損失はない。別にボクがローソンに寄付をする必然性もないので、まあ個人としては損ではあるのだが、、、

 

実はさらに問題は深い。

 

ポイントを集めるためには、(自動で集まる場合以外は)ポイントカードを提示・処理する必要があって、それは店員にとっては労働であり、ボクにとってもカードを持っていることを覚えて提示するという、認知資源・労働資源の損失になる。結局、ポイントは企業から見て消費者の囲い込みには役立つのだろうが、社会全体で見ると、単なる活動のムダだ。

 

ということで、企業がポイントを発行したり、客がそれを集めたりするのは、長期的な一般均衡的の視点からは、どれだけか(テキトーに言えば1%ほどか)の損失を生み出している。

 

ということで、言い訳するなら、ポイントを集めないバカは、実は社会的には「良いこと」をしているのだ。フシギでしょ?? でも そうなんだよね。 

 

こうした分析がおもしろいと思った大学生(いないだろ)は、ぜひとも経済学者になってもらいたい!