kurakenyaのつれづれ日記

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石油の出るアラブ諸国がなぜ貧しいのか?

こんにちは。

 

いつもやたらと長い時間をドライブしているので、BBCラジオを聞くことが多い。それでアラブ諸国のデモの話が特集されていたので、今日は超シリアスな話を展開してみよう。

 

イラクレバノンアルジェリアなどのデモでたくさんの人が死んでいる。そうした国を見ていると、石油からの多大な収入があるのに、国全体は貧しい。インフラの整備などによって国民には渡らずに、一部の独裁的な権力者が私腹を肥やしているのだ。

 

汚職というのは、どの国でも蔓延していることも間違いないが、Corruption Perception Index (PCI)を見ると、HDIなどと同じで、世界のすべての国で頻度が一様なわけではない。例えば、誰でも想像できるように北欧諸国などはとても汚職が少ないし、実際に地球人の全員がそれを知っている。

 

 

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world corruption index

 

さて、CPIは国民の平均IQと0.6 - 0.7程度に相関している。大きな例外は(ヨーロッパ人の民主主義理念を大胆に否定している)中国なのだろうが、他の国では、ほとんど一致しているのだ。

 

 

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個人的な経験からすると、知的な人間の人格が優れているということはないように思う。(高学歴な人間ほど人格も優れているみたいな、中国儒教の教えにはヘドが出る。)とはいえ現実には、権力者や役人、政治家の単純な身びいきは、知的でない人々ほど許容しているようだし、実際に実行もされている。日本でもそうだろうが、世界的にも同じ傾向なのだ。

 

おそらく、収賄というのは贈賄者がいるから、成り立つのであって、水心あれば魚心ということなのだろう。(王政に反対するジャーナリストを惨殺するサウジアラビアもひどい。なんで日本の政治家は、そうしたことを取り上げないのか?? そんなに石油利権が大事なのか? どこからでも石油なんて輸入できるじゃないか? )

 

現実の政治のもつ自己中心主義という部分は、政治の本質でもある。仕方がないので、ボクは無政府主義者なのだが、それにしても、そうした身ビイキは途上国ほどひどいのは疑いない。

 

残念ながら平均的なIQが90に届かない国で、機能している民主主義を維持している国はほとんどない(インドぐらいのようだ)。権力者による独裁と、腐敗、汚職が万円するのが人間社会の常態なのだ。おそらく民主主義や、あるいは権力者による汚職の自制というのは、権力者である自分と、権力を持たない相手がある程度は平等であるし、なくてはならないという、政治的・哲学的な「理念」を共有しなければ成立しないものなのだろう。誰だって、自分が実際に権力者になれば、できる限り自分の好きなことをしたくなるものだから。

 

この話題はこの短いブログにはシリアスすぎる。人類に大きな課題を突きつけていることは間違いないのだ。発展経済学のノーベル賞が、実はまったく無意味であることが理解できる人は、下の本で確認してみてもらいたい。

 

IQ and the Wealth of Nations (Human Evolution, Behavior, and Intelligence) (English Edition)

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