今日テレビを見ていたら、キム・ジョンウンがハノイに到着した様子が流れていた。メルセデスのストレッチリムジンで移動している。ロシアのプーチンにしてもメルセデスだし、国際的な賓客という場面では、大体メルセデス・ベンツが利用されている。
ボクのようなスーパーカー世代には当然のことだが、こうした伝統と権威というのは100年の年月を経てつくられるものであり、後発のメーカーでは容易には追いつくことができない。
おそらくレクサス(アキュラでもいいけど)が一番成功しているのは北米市場で、確かにメルセデス・ベンツやBMWとタイマンをはれるような感じになっていると思う。でも、他の市場はどうかといえば、難しい。当然ながら、ヨーロッパがもっとも苦戦している。
アフリカでのランドクルーザーやパジェロのように、性能や信頼性で圧倒的に上回らないと、培われた伝統をひっくり返すことはできない。少なくともあと数十年はかかるだろう。
これは時計でも同じだが、「腕時計の歴史はヨーロッパ人の歴史」であり、「自動車の歴史はメルセデス・ベンツの歴史である」という過去からの評判をひっくり返すのは簡単ではない。単にマネをしていても、逆効果だろう(例えば上がロレックス、下がセイコー。正直こういう模倣品の意味がわからない)
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それでも去年のこと、ある時に男子学生たちと話していて、「ベンツ、BMW、レクサスだったら、どれがいいと思う?」と聞いたことがあった。するとある学生は「レクサスが一番かっこ良くて、見栄が晴れるクルマだと思います」と言ったのには驚いた。
うーん、そういう感覚もありか――、そういう世代が育ってきているのか、と感慨深いものを感じた。単なる物知らずだ、と物知りのオッサンは考えるかもしれないが、そういった素人的な感覚こそがここでは重要なのだ。
そう考える世代がこれからも続くように、トヨタにもホンダにも、ぜひともチャレンジし続けてもらいたい。了
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