kurakenyaのつれづれ日記

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Akitada 菅原顕忠はだれだ??

去年のこと ある朝起きてみると オランダ人の友人からメールが来ていた。いわく

 

”Ken オレは研究の気晴らしに探偵モノを読むんだが、ところで「アキタダ シリーズ」が面白いと思う。お前も読んだか? が、日本ではどれくらいウケてる?”

 

という内容だった。えっ アキタダって誰?? もしかしてボクがフィクションは東野圭吾くらいしか知らないから、知らないだけなんだろうか? と思って、ノコノコと布団からはい出して調べてみた。

 

アキタダ とは菅原顕忠のことで、アメリカ人のイングリッド・パーカーが書いているミステリー=探偵ものフィクションの主人公らしい。平安時代の官僚として、各地に赴任したり、京都に戻ったりして、時折 遭遇するナゾを解くというものらしい。

 

 「Rashomon Gate 羅生門」、「The hell screen 地獄変」とか芥川龍之介本歌取りみたいな題名もあるようです、、、

 

Rashomon Gate

Rashomon Gate

 

 

 

「アキタダは平安京の下級貴族の家に生まれた。儒学の大学で法律を学び、卒業する年に父がなくなり、彼は家族を支えるべく、法務官僚になる。彼は儒教の支配する官僚社会・上司にはびこるコトナカレ主義や保守主義と戦う苦悩、継母ともいろいろと対立・葛藤があるが、妹たちが良家に嫁ぐために必須である大きな持参金を用意すべく、責任を感じ続つつ、遭遇するミステリーを解明し続ける。」

 

みたいな主人公なのだが、このアキタダ・シリーズは私立探偵ものに与えられる賞ShamusAward までとっていて、アメリカを中心に高い評価を受けている!! 14冊も出てます。

 

 

で、検索しても 誰一人日本人で書評を書いていない!! ナゼ?? フシギ

 

菅原顕忠は実在した人物のようだけれど、役人として赴任した話もないし、いわんや探偵であったはずがないから、完全にパーカーの創作。

 

イングリッド・パーカーは東海岸で日本文学を教えていたアメリカ人女性で、その視点はまさに現代の西洋人が共感できるような人物像であるためのようだ。日本人の感覚から行くと、安倍晴明のような陰陽師が活躍したり、六条の御息所の生霊に祟られてしまう世界で、合理的な思考によってナゾを解く役人がいるようには到底思えない、、、苦笑

 

ついでに、女のところへの通い婚や、見初めた少女をつれてきて妻にする話はあっても、日本はインドじゃないので女性が大きな持参金を持ってないと良い家に嫁げないと言う話も聞いたことがないが、、、、

 

 

さてさて、お前が実際に読め!! と言われそうだが、正直言って、ボクは英語で小説を読むのが苦手なのだ。論理的な文章と違って、小説の場合、いろいろな単語や表現の中に含まれる細かな伏線とかがよく読めないので、十分には楽しめないのです、ザンネンムネン!

 

 

ちなみにオランダではテレビがオランダ語・英語・ドイツ語・フランス語でやってるし、小学校の時から英語を学ぶので、勉強が普通にできる子供は翻訳よりも英語原文で読むようになるようだ。うらやましいなあ

 

 

何につけても、外国の昔なんて誰も知らないから、どんなキャラとストーリーでもなんでも書き放題ということなんだろう。考えてみれば、大西洋にいただろうルフィが妙に日本人であり、ヨーロッパ人には逆にウケないのも理解できるというものだ。

 

 

源氏物語の発想とは違いすぎるが、あるいは訳してみれば受けるかもしれない。。。ということで、「日本じゃ翻訳されてないし、誰も読んでないみたいよ」と書いたら、スウェーデンのミステリー Jo Nesboを勧められた。翻訳されていたので、『悪魔の星』読みました。ちょっと気が向いたら、また書きます。

 

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